
『ぶらあぼ』誌面でご好評いただいている海外公演情報を「ぶらあぼONLINE」でもご紹介します。
[以下、ぶらあぼ2026年11月号海外公演情報ページ掲載の情報です]
曽雌裕一 編
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今年も、毎年恒例の独OPERNWELT誌の年間最優秀賞(2025/26シーズン)が発表になった。主要な受賞は、オペラハウスがマインツ州立劇場、最優秀歌手には男性がマイケル・スパイアーズ、女性がエレナ・スティヒナ、最優秀指揮者はトーマス・グッガイス、最優秀演出家はクラウス・グート、最優秀オーケストラはフランクフルト・オーパー&ムゼウム管といったところだが、必要に応じて、来月の本欄でもさらに補足したい。
なお、昨年同様、今月の本文中に「メトロポリタン歌劇場」の掲載がないのは、もともと2月に公演がないためなので、ご了解のほど。
さて、先月号で、現役の作曲家ジョン・アダムズが2027年に80歳の傘寿を迎えることをお伝えしたが、その記念ということもあるのだろう、彼の代表的オペラ作品の一つである「ドクター・アトミック」が、何とバイエルン州立歌劇場とチューリヒ歌劇場というメジャーのオペラハウスで競うように上演される。前者の演出は、奇しくも本稿冒頭で紹介した2024/25シーズンの最優秀演出家に選出されたクラウス・グート。出演歌手もS.キーンリーサイド、M.ペーターゼンなど大御所が並ぶ。一方、後者は近年評価が急上昇中のエリム・チャンの指揮で、演出はイタリア出身の現代アーティスト、ヴァネッサ・ビークロフトのオペラ演出家としてのデビューという、これまた話題満載の上演内容となっている。
その他のオペラのプレミエ公演では、ウィーン国立歌劇場のヴェルディ「仮面舞踏会」、アン・デア・ウィーン劇場のベートーヴェン「レオノーレ」(ヘアハイム演出)、ベルリン・ドイツ・オペラのモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」、ケルン歌劇場のスメタナ「売られた花嫁」(ネトピル指揮)、フランクフルト歌劇場のプロコフィエフ「3つのオレンジへの恋」、チューリヒ歌劇場のプッチーニ「西部の娘」(シュタイアー演出)、フィレンツェ歌劇場のヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」(ガッティ指揮)、リセウ大劇場のワーグナー「ラインの黄金」(クラッツァー演出)、パリ・オペラ座のマスネ「ウェルテル」、シャンゼリゼ劇場のヘンデル「リナルド」、英国ロイヤル・オペラのモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」(ヘンゲルブロック指揮)などが要注目。プレミエに限らなければ、ネトレプコが主役を歌うウィーン国立歌劇場のプッチーニ「トゥーランドット」やティーレマンの指揮するベルリン州立歌劇場のワーグナー「トリスタンとイゾルデ」に加え、ラトル=バイエルン放送響のドビュッシー「ペレアスとメリザンド」(演奏会形式)などが話題となろう。
オーケストラ関係で面白そうなのは、ティーレマン指揮シュターツカペレ・ベルリンの特別演奏会(遙かなるラジオ放送時代の音楽)、アルゲリッチの出演するベルリン・フィル(シャニ指揮)、アラン・ギルバートとピアノの角野隼斗との共演(NDRエルプフィル。この後、日本公演もある。)、ソヒエフ指揮のラフマニノフの交響曲第2番(シュターツカペレ・ドレスデン)、指揮者ヴェンツァーゴ自身が補足完成したシューベルトの「未完成交響曲」(フランクフルト・オーパー&ムゼウム管)、ケント・ナガノがバンベルク響で演奏するウズベキスタンの作曲家サディコヴァの作品(ヴィヴァルディの「四季」をリ・イメージング)、ロト指揮SWR響のベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」、ハーディング指揮パリ管のメンデルスゾーン「エリヤ」(ストヤノヴァ出演)、マケラ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管など注目公演が多数並ぶ。ピアノ関係では、ウィーン・ムジークフェラインでのイゴール・レヴィットによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ・ツィクルスが大注目。なお、本稿ではハンブルクのエルプフィルハーモニーの公演も追加記述した。エベーヌ弦楽四重奏団も登場する。
(曽雌裕一・そしひろかず)
(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
