
右:金川真弓 ©Kei Osada
2027年1月の東京シティ・フィル定期は新しい年の幕開けにふさわしく、バルトークとストラヴィンスキーという近代オーケストラ音楽の醍醐味を味わえる選曲である。出演は同楽団常任指揮者の高関健とヴァイオリンの金川真弓。公演前半はバルトークの「ハンガリーの風景」と金川のソロによる同ヴァイオリン協奏曲第2番である。チャイコフスキー国際、ロン・ティボー国際など世界有数のコンクールでの入賞を誇り、作品の神髄に迫る情感豊かな演奏で各オーケストラから共演依頼が絶えない人気奏者の金川。東京シティ・フィルとは待望の初共演となるが、近現代作品にも冴えたセンスを発揮する彼女だけに、スケールの大きい秀演を期待したい。
日本を代表するマエストロとして、そして希代の学究派の指揮者として独自の活動を展開する高関は、長らく東京シティ・フィルの指揮台に立ち、数々の名演を聴かせてきた。同楽団の26年2月、3月の50周年記念特別演奏会で披露したマーラーの交響曲第6番「悲劇的」、第2番「復活」が大きな話題になったのも記憶に新しい。1月の定期の最後にとりあげられるのはストラヴィンスキーの「火の鳥」。ストラヴィンスキーは自身の作品を何度も改訂したことで知られているが、今回高関は1910年原典版を多角的に検証した独自のアプローチで挑む。民族的な物語を軸に展開する名作が高関率いる東京シティ・フィルの演奏を通じて、新たな感動を呼び起こすものとなろう。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2026年10月号より)
高関 健(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第390回 定期演奏会
2027.1/15(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問 東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002
https://www.cityphil.jp

伊藤制子 Seiko Ito(音楽学・音楽評論)
東京藝大、同大大学院修了。現在、東邦音大・同大学院、静岡文化芸大、日大講師。日仏の20世紀以後の音楽、音楽美学を研究するかたわら、音楽評論、海外オペラ取材なども行う。2017年のモンテヴェルディ生誕450年イヤーにヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場のモンテヴェルディ三部作の上演を取材。音楽以外のライフワークは旅と俳句。奈良、ヴェネツィアなどで史跡を探索するのが趣味。
