フェリシアン・ブリュ&大萩康司 ――選曲の妙が光るアコーディオンとギターの一夜

左:フェリシアン・ブリュ ©Manuel Braun
右:大萩康司 ©SHIMON SEKIYA

 クリスマス・シーズンは銀座でアコーディオンとギターのスペシャル・デュオを。2024年パリ・オリンピック開会式に登場して話題となった新世代のアコーディオン奏者フェリシアン・ブリュと、昨年デビュー25周年を迎えたギタリスト大萩康司が、王子ホールの“G-Lounge”で共演する。フランス伝統音楽の聖地でありアコーディオン文化が根付くオーヴェルニュに生まれたブリュと、パリのエコール・ノルマル音楽院とパリ国立高等音楽院で学んだ大萩は、フランスの音楽的感性を持つ者同士。昨年10月の初共演で意気投合し、今年さっそく再共演が決定した。

 注目のプログラムの前半は、ボッケリーニ「序奏とファンダンゴ」、第2楽章が〈踊り〉のヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ」第5番、タンゴの名曲であるブラスケス「心は南に」など“踊り”がひとつの軸となる選曲。後半は、シャンソンの名曲メドレー「パリと世界のワルツ」、ブリュのソロでルグラン「シェルブールの雨傘」、ガリアーノ「クロードのタンゴ」とフランス・プログラムでありつつ、ピアソラ「二重協奏曲」「トロイロ組曲」のそれぞれ抜粋、ニャタリの組曲「肖像」から〈エルネスト・ナザレ〉(ワルツ)、〈シキーニャ・ゴンザーガ〉(コルタ・ジャカ)と“踊り”がエッセンスの曲を披露する。

 街が華やぎ心躍る年末に、2人はどんな音のステップを踏み交わすだろうか。躍動するリズム、共鳴するアコーディオンとギターの音色を味わおう。

文:榊原律子

(ぶらあぼ2026年10月号より)

G-Lounge #29 フェリシアン・ブリュ(アコーディオン) & 大萩康司(ギター)
2026.12/17(木)19:00 王子ホール
問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990
https://www.ojihall.jp


榊原律子 Ritsuko Sakakibara

東京生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了(音楽学)。編集プロダクション勤務を経て、2004年よりフリーランスのライター・編集者として音楽・舞台芸術のジャンルを中心に活動。各地の劇場やホールの友の会会報誌・情報誌の編集制作に長年携わる。現在はアーティストへのインタビュー、公演プログラムの編集、曲目解説の執筆などを行っている。