
『ぶらあぼ』誌面でご好評いただいている海外公演情報を「ぶらあぼONLINE」でもご紹介します。
[以下、ぶらあぼ2026年2月号海外公演情報ページ掲載の情報です]
曽雌裕一 編
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昨年同時期にもお知らせした通り、5月になると複数の定例音楽祭が始まるため、掲載用データの分量がどうしても紙幅の許容量を超えてしまう。やむなく掲載を見送ったり、次号に回したものが複数あることをご了承いただくと同時に、未掲載分はホームページ等でお手数ながら確認をお願いしたい。
その音楽祭、「聖霊降臨祭音楽祭」を謳うものが2つあるので、まずはそれらから。「ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭」は、2012年からメゾソプラノ歌手のチェチーリア・バルトリが芸術監督を務めており、この任期は2031年まで続く予定。2026年は「Bon Voyage!(良い旅を)」をテーマとし、バルトリ出演のロッシーニのオペラ「ランスへの旅」が目玉演目の一つ。それ以外にも「音楽宇宙を巡る演出付タイムトラベル」と銘打ったバルトリとその仲間たちによるコンサートや、プルハー指揮ラルペッジャータによるメキシコ伝承曲を含むコンセプト演奏会など、短い期間ながらも要注目の公演が並ぶ。なお、この「ランスへの旅」は夏のザルツブルク音楽祭でも上演される。
もう一つの「聖霊降臨祭音楽祭」はバーデン=バーデンでの公演。ここではセクハラ騒動から復活したロトの指揮によるR.シュトラウス「ばらの騎士」とSWR響の演奏会がメイン。中でも「ばらの騎士」で、「歌手」役に人気急上昇中のテノール歌手ジョナサン・テテルマンが登場するというのが豪華なサプライズ!
次に都市名を冠した音楽祭として「ハンブルク国際音楽祭」、「ドレスデン音楽祭」、「プラハの春国際音楽祭」に注目。ハンブルクは例年よりやや地味な感じもするが、それでもNDRエルプフィルがフランツ・シュミットのオラトリオ「7つの封印の書」を取り上げたり、ブリューズの指揮でヘンツェの「トリスタン」が演奏されたり、マルヴィッツ指揮ベルリン・コンツェルトハウス管の客演公演もあるなど賑やかではある。また、ケント・ナガノとコンチェルト・ケルンがワーグナー「神々の黄昏」を取り上げるが、これは「ドレスデン音楽祭」でも上演される。そのドレスデンの方は、“かてぃん”ことピアノの角野隼斗が自身の編曲作品を含めたソロ・リサイタルを開くというのが興味深い。「プラハの春国際音楽祭」では、ポペルカ指揮プラハ放送響での恒例のスメタナ「わが祖国」による開幕公演や、ラトル指揮バイエルン放送響による公演、コパチンスカヤを独奏者とするフルシャ指揮チェコ・フィルの民族色たっぷりの選曲による公演など、多士済々で面白い。
他にも、ポゴレリッチなどがリサイタルを開く「ルール・ピアノ・フェスティバル」、古楽系指揮者のジョルジュ・ペトルーが芸術監督を務める「ゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭」、18世紀半ばに建設された歴史的建造物の「ロココ劇場」もまた見所である「シュヴェツィンゲン音楽祭」など要注目企画は数多い。
一方、通常公演のオペラでは、ウィーン国立歌劇場のビゼー「真珠採り」(フローレス出演)、同歌劇場とベルリン・ドイツ・オペラのワーグナー「リング・ツィクルス」(前者はエラス=カサド指揮)、アン・デア・ウィーン劇場のヴェルディ「スティッフェリオ」、ベルリン州立歌劇場のR.シュトラウス「無口な女」(ティーレマン指揮)、フランクフルト歌劇場のフォルトナー「血の婚礼」(上演頻度の希なレア演目)、チューリヒ歌劇場のモーツァルト「皇帝ティートの慈悲」(ミンコフスキ指揮)、スカラ座のヴェルディ「ナブッコ」(ネトレプコ出演)、パリ・オペラ座のドヴォルザーク「ルサルカ」(大野和士指揮)やA.ベンボ「恋するヘラクレス」等々、これまた挙げきれない。オーケストラも、ティーレマン指揮シュターツカペレ・ベルリンで、レヴィットがプフィッツナーのピアノ協奏曲を弾く演奏会、ケント・ナガノ指揮ベルリン・ドイツ響のバーンスタイン「ディバック」、ズービン・メータによる自身の90歳記念演奏会(シュターツカペレ・ベルリンとバイエルン州立管)、ピション指揮のコンセルトヘボウ管など要注目公演非常に多し(◎印をご参照のほど)。さらに、パリのフィルハーモニー・ド・パリではアルゲリッチとポゴレリッチのピアノ競演(共演ではなく)もある。
(曽雌裕一・そしひろかず)
(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

