《ナクソス島のアリアドネ》〜魅惑、幻惑、あやしい女声が決め手!?

 “R.シュトラウスのオペラは女声のオペラである”と言われることがあります。それは単に女性が主役ということではなく、女性の声が持つさまざまな魅力が効果的に用いられているということ。《ナクソス島のアリアドネ》に登場するアリアドネとツェルビネッタ、そしてズボン役の作曲家の3役にも、みごとなまでに異なる個性をもつ“女声”が要求されています。
 アリアドネ役を歌うグン=ブリット・バークミンは、決して爆発するのではない抑えたなかに感情の起伏を充分に表すことが要求されるこの役をはじめ、R.シュトラウスの諸役で高い評価を得ています。前回のウィーン国立歌劇場日本公演でのサロメでの魅惑的な姿も思い出されます。3月には、ウィーンでも同役を歌い、高評を得ています。

アリアドネを演じるバークミン(2016年3月ウィーン国立歌劇場公演より) Photo:Wiener Staatsoper / Michael Poehn

アリアドネを演じるバークミン(2016年3月ウィーン国立歌劇場公演より)
Photo:Wiener Staatsoper / Michael Poehn

 アリアドネと対照的な性格で超絶技巧のコロラトゥーラを要求される難役ツェルビネッタ役のダニエラ・ファリーは、目下この役の代表選手というべき存在。奔放な愛らしさをもつツェルビネッタの幻惑的な魅力はこのオペラの出来を左右するものでもあります。
ファリー演じるツェルビネッタ(2014年11月ウィーン国立歌劇場公演より) Photo:Wiener Staatsoper / Michael Poehn

ファリー演じるツェルビネッタ(2014年11月ウィーン国立歌劇場公演より)
Photo:Wiener Staatsoper / Michael Poehn

 芸術に純粋に生きる作曲家は、彼女によって生身の愛に目覚めるのです。作曲家役にはヴェッセリーナ・カサロヴァが登場。なめらかさと芯のある声質をもつカサロヴァはケルヴィーノ役やオクタヴィアン役をはじめ、ズボン役でも多くの成功をおさめてきました。ツェルビネッタとのあやしい魅力に未知の期待が高まります。

 女声の重用により、実はR.シュトラウスはテノール嫌いだったのでは?とみられることもありますが、真偽は不明。ともあれ、バッカス役のテノールには大きな役割があります。彼の登場は、死を待ち望むアリアドネの心を一転させます。それも長い時間をかけて口説き落とすのではなく、ほぼ一瞬と言っていいくらいの時間で。インパクトのある声と説得力をもった歌唱が求められる難役です。バッカス役のヨハン・ボータの、誰もが認める美声が、これを可能にします。

ボータ演じるバッカス(2014年11月ウィーン国立歌劇場公演より) Photo:Wiener Staatsoper / Michael Poehn

ボータ演じるバッカス(2014年11月ウィーン国立歌劇場公演より)
Photo:Wiener Staatsoper / Michael Poehn

R.シュトラウス作曲
《ナクソス島のアリアドネ》
指揮:マレク・ヤノフスキ
演出:スヴェン=エリック・ベヒトルフ
10月25日(火) 7:00p.m.
10月28日(金) 3:00p.m.
10月30日(日) 3:00p.m.
会場:東京文化会館

■予定される主な出演
プリマドンナ/アリアドネ:グン=ブリット・バークミン
ツェルビネッタ:ダニエラ・ファリー
作曲家:ヴェッセリーナ・カサロヴァ
テノール:バッカス:ヨハン・ボータ
*表記のキャストは2016年3月22日現在の予定です。

■入場料(税込)
S=¥63,000 A=¥58,000 B=¥53,000 C=¥48,000 D=¥32,000 E=¥25,000 F=¥17,000
エコノミー券=¥13,000 学生券=¥8,000

NBS WEBチケット先行発売 特典情報はこちらから
http://www.nbs.or.jp/blog/wien2016/info/nbs-web.html

ウィーン国立歌劇場2016年日本公演公式HP
http://www.wien2016.jp/

【チケット発売情報】
ウィーン国立歌劇場日本公演
●2演目・3演目セット券 [S, A, B券]
NBS WEBチケット先行発売[座席選択]

4月14日(木)21:00〜4月21日(木)18:00

●2演目・3演目セット券 [S, A, B券] NBS WEBチケット&電話受付
4月23日(土)10:00より
NBSチケットセンター:03-3791-8888


●全公演のS〜D券
一斉発売開始
6月4日(土) 10:00より