5月21日、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場で《タンホイザー》プレミエが行われました。
指揮をとるキリル・ペトレンコには、登場するやいなやの喝采が起こります。しかもそれは第2幕、第3幕と進むに従って大きく激しく巻き起こることに。それもそのはず、その演奏の素晴らしさと言ったら‼ 丹念に作り込まれた成果は、オーケストラと合唱に大きく発揮されたのです。
終演後のカーテンコールでは、主要歌手たちはいずれもブラボー！の嵐に見舞われますが、これに地鳴りのような喝采を受けたのは指揮者ペトレンコでした。
そしてさらに、演出家ロメオ・カステルッチが登場すると、騒ぎの「色」が急変。いわゆるブーイングが起こるのですが、独自の世界を描くカステルッチ演出への対応は想定済みとばかりに、これをかき消そうとするブラボーも声が一層高まります。「ブラボー vs ブー」で劇場が騒然となるのは、上演が大きなエネルギーをもっている証しでもあるでしょう。
終演後、リハーサル室を使っての打ち上げパーティでは、バハラー総裁をはじめ、出演者やスタッフたちが集まり、初日の成功を祝いしました。
プレミエから4か月で行われる日本公演は、ミュンヘンでのこのエネルギーがそのまま体験できる機会となるはずです。どうぞお楽しみに！
「ブラボー vs ブー」で騒然となったカーテンコール
右より：クラウス・フロリアン・フォークト（タンホイザー）、アニヤ・ハルテロス（エリーザベト）、キリル・ペトレンコ、クリスチャン・ゲルハーヘル（ウォルフラム）、エレーナ・パンクラトヴァ（ヴェーヌス）
第1幕が終わって1回目の休憩中
ロメオ・カステルッチ（右）ほか
プレミエ初日成功を祝うパーティ。上演場面が映し出される大スクリーンやミラーボールが回る会場は、やがてディスコと化すのだとか。
プログラムと公演チケット。緑色のカードは打ち上げパーティのもの。
【公演日程】
バイエルン国立歌劇場日本公演
《タンホイザー》
作曲：R.ワーグナー
演出：ロメオ・カステルッチ
指揮：キリル・ペトレンコ
9月21日（木） 3:00p.m.
9月25日（月） 3:00p.m.
9月28日（木） 3:00p.m.
会場：NHKホール
■予定される主な出演
領主ヘルマン：ゲオルク・ゼッペンフェルト
タンホイザー：クラウス・フロリアン・フォークト
ウォルフラム：マティアス・ゲルネ
エリーザベト：アンネッテ・ダッシュ
ヴェーヌス：エレーナ・パンクラトヴァ
※表記の出演者は2017年1月20日現在の予定です。
http://www.bayerische2017.jp/tannhauser/