日本公演開幕を飾る《マクベス》 迫真の総仕上げリハーサル

英国ロイヤル・オペラ日本公演開幕まであと1日!

 英国ロイヤル・オペラ日本公演の開幕を飾る《マクベス》のオーケストラ付最終リハーサルが9月8日に行われました。
 午後0時半から3時間半にわたり第1幕と第2幕を、午後6時からの3時間で第3幕と第4幕を稽古。まず一度通してから、マエストロの指示や演出監督、振付監督による指示により、必要な部分が再度、稽古されました。最終リハーサルということで、出演者たちも本番さながらの迫真の歌唱と演技をみせていましたが、監督たちの目は細かいところにまで向けられます。

このプロダクションで、特徴的な存在を示す魔女たちの元をマクベスが訪れる場面。 手前に写っているのは照明や装置関係をコントロールするテクニカル・スタッフのコンピュータ画面。     Photo:Kiyonori Hasegawa

このプロダクションで、特徴的な存在を示す魔女たちの元をマクベスが訪れる場面。
手前に写っているのは照明や装置関係をコントロールするテクニカル・スタッフのコンピュータ画面。
Photo:Kiyonori Hasegawa

 驚いたのは、第1幕のリュドミラ・モナスティルスカが歌うマクベス夫人登場のアリアの後には拍手が起こったこと。最終リハーサルでは、特にソリストは声をセーブして本番に備えるのが普通です。しかし、その場に居たスタッフたちの間でも、その迫力にはゾクゾクさせられたという声しきり。「これがリハーサルっていうことは、本番ではどうなっちゃうの?!」という驚くべき凄さなのでした。

 《マクベス》という作品において最も重要なのは人物の心理状態やその変化が表現されること。演劇界の巨匠である演出家フィリダ・ロイドの演劇的手法を最大限に活かすためには、スムーズな舞台転換や、合唱団やダンサー一人ひとりの動きも重要となります。そのための確認は妥協されることはありません。
 長時間のリハーサルを終えたマエストロ パッパーノの表情には、充分な手応えを掴んだ自信あふれる笑みが!
 どうぞご期待ください。

ソリストも合唱も、リハーサルとは思えないほどの緊張感 Photo:Kiyonori Hasegawa

ソリストも合唱も、リハーサルとは思えないほどの緊張感
Photo:Kiyonori Hasegawa

■英国ロイヤル・オペラ2015年来日公演《マクベス》