英国ロイヤル・オペラ5年ぶりの日本公演では、ヴェルディ作曲《マクベス》とモーツァルト作曲《ドン・ジョヴァンニ》の2作が上演されます。
《マクベス》は、いうまでもなくシェイクスピアの戯曲に基づくオペラ。シェイクスピアに対して並々ならぬ敬愛を抱いていたヴェルディにとって、シェイクスピア作品のオペラ化は生涯を通した課題でもあっただろうといわれています。《マクベス》は、その第1弾となったオペラです。
今回上演されるのは、2002年に製作されたプロダクション。ミュージカル『マンマ・ミーア!』の舞台演出や映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』の監督として知られるイギリス人演出家フィリダ・ロイドによる演出です。洗練された舞台美術のなかで、人の心に潜む野望、残忍さ、その一方での良心の呵責や葛藤など、複雑な心理が描かれていくこのプロダクションは、“シェイクスピアの国”のオペラハウス絶対の自信作となっています。日本公演で、2011年にロンドンで観客を熱狂させた主演キャストの登場が実現するのも嬉しい限り! タイトル・ロールはロンドン生まれの人気バリトン、サイモン・キーンリサイド、マクベス夫人役はこの役で鮮烈なデビューを飾ったキエフ出身のリュドミラ・モナスティルスカです。
《ドン・ジョヴァンニ》は、2014年2月に新演出初演が行われた芸術監督カスパー・ホルテンによるプロダクション。プロジェクション・マッピングが効果的に使われた視覚的な面白さは、これまでのオペラの舞台にはなかった新鮮な驚きが! 日本公演には、ドン・ジョヴァンニの化身とでもいえそうなルックスを備えた実力派イルデブランド・ダルカンジェロをはじめ、現在もっとも輝いているメゾ・ソプラノ、ジョイス・ディドナート演じるドンナ・エルヴィーラ、情熱的でダイナミックな表現力で圧倒するテノール、ローランド・ヴィラゾン演じるドン・オッターヴィオなど、強力なメンバーが顔を揃えます。
そして何より、オペラの鍵を握るのは、音楽監督として舞台をけん引するアントニオ・パッパーノ。何よりも音楽を愛し、作品の本質に迫るために尽力する“職人”的な取り組みが、英国ロイヤル・オペラを担っているのです。
新しい試みを取り入れながらも、作品のもつドラマを深く表現し、最上の音楽で満たすー、英国ロイヤル・オペラが届けてくれる最高のオペラの楽しみを、どうぞご期待ください。
◆公演概要◆
《マクベス》
指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:フィリダ・ロイド
9月12日(土) 3:00p.m.
9月15日(火) 3:00p.m.
9月18日(金) 6:30p.m.
9月21日(月・祝)1:30p.m.
会場:東京文化会館
■予定される主な配役
マクベス : サイモン・キーンリサイド
マクベス夫人 : リュドミラ・モナスティルスカ
《ドン・ジョヴァンニ》
指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:カスパー・ホルテン
9月13日(日)3:00p.m.
9月17日(木)6:30p.m.
9月20日(日)1:30p.m.
会場:NHKホール
■予定される主な配役
ドン・ジョヴァンニ : イルデブランド・ダルカンジェロ
レポレロ : アレックス・エスポージト
ドン・オッターヴィオ : ローランド・ヴィラゾン
ドンナ・エルヴィーラ : ジョイス・ディドナート
ドンナ・アンナ : アルビナ・シャギムラトヴァ
ツェルリーナ : ユリア・レージネヴァ
マゼット : マシュー・ローズ
入場料(税込)
S=¥55,000 A=¥48,000
B=¥41,000 C=¥33,000
D=¥26,000