英国ロイヤル・オペラ日本公演開幕まであと7日!
東京文化会館では、9月12日の日本公演開幕を飾る《マクベス》の舞台準備が進められています。《マクベス》の舞台美術は、黒い壁が基調。どっしりとした重厚感のあるセットが組み上げられています。まず、後方と両端の壁が組み上げられ、床が貼られていきます。舞台は前方から後方へと上り角度がついているため、最後方の高さは3メートルほどに。
壁と床のセッティングが終わると、壁を吊り上げたり、降ろしたりするチェックが始まります。このオペラでは、張りつめた緊張感のなかで揺れ動くマクベスやマクベス夫人の心理を表すことが重要。このドラマの緊張感を損なうことなく、スムーズに展開していくために、「この部分は●秒で!」など、入念な作動確認は欠くことはできません。
大道具と同様に、舞台にとって重要な鍵を握るのは照明です。大道具の組み上げと並行して、微妙な調整が行われていきます。
■英国ロイヤル・オペラ《マクベス》設営風景その1
黒が基調のこの《マクベス》のなかで、ひときわ目を引く装置の一つに、金色に輝く鉄骨でつくられた“檻”のようなものがあります。さまざまな意味で国王あるいは権力を象徴するものといえるでしょう。マクベスはこの“檻”の中央に立って王冠を頭上に載せ、この“檻”のなかで最期を迎えるのです。輝く金色は、鉄骨の周りに貼られたものですが、今回の日本公演を前に、あらためて新調されたとのこと。ほかの鉄骨フレームとは異なり、一つひとつ保護材で包まれてきました。どれもピカピカに輝いています。
動画では、黒い壁が囲む舞台の後方で、組み上がった“檻”が吊り上げられて土台に乗せられる行程をご覧いただけます。ちなみに、土台を含めるとおよそ1トンという重量になるそうです。
■英国ロイヤル・オペラ《マクベス》設営風景その2