英国ロイヤル・オペラの音楽監督、アントニオ・パッパーノが、この5月、グラモフォン・ホール・オブ・フェイム(グラモフォンの栄誉殿堂)に選出されました。
グラモフォン・ホール・オブ・フェイムは、1923年に創刊されたクラシック音楽の専門誌『グラモフォン』の読者投票により選ばれます。クラシック音楽の録音の分野で芸術的、確信的、創造的貢献を果たした、最も影響力がある演奏家やプロデューサー、エンジニア、レーベルのエグゼクティブなどに授与される賞です。これまでの受賞指揮者はヘルベルト・フォン・カラヤン、クラウディオ・アッバード、ズービン・メータ、サイモン・ラトルなど。アントニオ・パッパーノも、この錚々たる指揮者たちの仲間入りを果たしたわけです。
受賞をもたらした背景には、英国ロイヤル・オペラの音楽監督として、コヴェント・ガーデンの黄金時代を築いたこと、また、ローマ・サンタ・チェチーリアアカデミー管弦楽団の首席指揮者としての録音の成功などがあるでしょう。また、パッパーノはピアニストとしても優れた手腕の持ち主。昨年秋に行ったロンドンのウィグモア・ホールでのジョイス・ディドナートとの共演も、聴衆への強い印象を残したとされています。