ーー このオペラでは、ドン・ジョヴァンニと従者レポレロの関係も重要です。あなたは、両方の役をレパートリーとしていますね。
ダルカンジェロ そう、二人の関係はとても重要です。私がレポレロを演じたなかには、ドン・ジョヴァンニが決してレポレロを見ない、二人の間になにもつながりのないものも数多くありました。それではうまくいかない。ジョヴァンニには兄弟のような関係のレポレロが必要なのです。日本公演では、アレックス・エスポージトのレポレロと共演します。我々はすでにベルリンでも新演出の《ドン・ジョヴァンニ》で共演していて、二人の関係をどのようにすべきか、しっかりとつかんでいます。
ーー あなたはすでに英国ロイヤル・オペラ音楽監督のアントニオ・パッパーノとも共演を重ねています。ローマではレポレロを演じましたよね。
ダルカンジェロ 大成功でした。今回、彼の指揮でジョヴァンニを歌えるのは、とても幸せなことです。彼はすべての言葉を理解していて、私が声で表す必要がある色について、すべてを説明してくれるのです。
ーー すでに何度も日本を訪れたことがあるということですが、日本の印象は?
ダルカンジェロ 私は日本の几帳面さが好きです。あとは食べ物も、特に寿司が好き。日本の皆さんはとても親切で、あたたかく迎えてくれます。日本の聴衆は熱狂的です。終演後には何百というサインを求められるんですから! 日本の皆さんが我々の舞台をとても愛してくださるのを見ることは、とてもうれしいことでもあります。
(インタビュー・文 ジョージ・ホール ロンドン在住、音楽ジャーナリスト)