ローマ歌劇場日本公演 開幕記者会見から(2)

 9月5日に行われた記者会見から、今回は《マノン・レスコー》の指揮者ドナート・レンツェッティ、演出家キアラ・ムーティ、マノン役のクリスティーネ・オポライスの言葉を紹介します。

 指揮者ドナート・レンツェッティは、カタコトの日本語で「オハヨウゴザイマス」と挨拶。「ヴェルディが大きな人気を得ていた時代のなかで《マノン・レスコー》が成功を獲得したのは、この作品のもつ“新しさ”だったのだと思います。プッチーニは《マノン・レスコー》を新しい雰囲気の作品として誕生させたかったのだと。それはオーケストレーションがモダンであることからも感じます」と指揮者の視点から作品を紹介しました。

《マノン・レスコー》の指揮者ドナート・レンツェッティ
Photo:Ayano Tomozawa

 演出家のキアラ・ムーティは、まず日本で自分たちイタリアの文化=オペラが愛されていることの喜びを語り、「イタリアの作曲家たちが、絵画や文学などを取り込み、世界共通の共通語である音楽によってつくりあげたのがイタリア・オペラです。私はこの歴史を大事に思っています」と続けました。プッチーニは、同じ原作に基づいたマスネの《マノン》をみて、自分もオペラをつくろうと考えたことから、彼女自身もマスネとプッチーニが描いたマノンのキャラクターのちがいをはっきりと捉え、演出したことを語りました。
※キアラ・ムーティの演出に関する考えは、本サイト《マノン・レスコー》 演出家キアラ・ムーティ スペシャル・インタビュー(1)〜(3)でもご紹介しています。

《マノン・レスコー》の演出家キアラ・ムーティ
Photo:Ayano Tomozawa

 マノン役のクリスティーネ・オポライスは、「マノン・レスコーは決して簡単な役柄ではないけれど、これまでにすでに多くの好評をいただいていることを嬉しく思っています」と挨拶。一瞬、何を話せばいいのかしら・・・と言いつつ、「マノンは愛と富の両方を手に入れたかった・・・女性の誰も望むかもしれないけれど、多くはそれは無理だと知っています。若く未熟で危険な存在だったマノンは、死を前にしてようやくそれを知ることになりました」と、静かな口調でマノン像を語りました。

 キアラ・ムーティはオポライスが「第一に女優であること」を大切にしている歌手であると絶賛。オポライスも「キアラはすべてを理解しています。場面一つひとつの丁寧な捉え方によって作られたとても美しいプロダクションで歌えるのはとても嬉しい。彼女に恋してしまいそうなほどね!」と語りました。

《マノン・レスコー》 マノン役のクリスティーネ・オポライス
Photo:Ayano Tomozawa


【動画】
キアラ・ムーティからのショート・メッセージはこちらからご覧いただけます。


【参考記事】
《マノン・レスコー》 演出家キアラ・ムーティ
スペシャル・インタビュー(1)
スペシャル・インタビュー(2)
スペシャル・インタビュー(3)


【公演情報】
ローマ歌劇場2018年日本公演

《マノン・レスコー》
9月16日(日) 15:00 神奈川県民ホール
9月20日(木) 15:00 東京文化会館
9月22日(土) 15:00 東京文化会館

指揮:ドナート・レンツェッティ
演出:キアラ・ムーティ

■出演
マノン:クリスティーネ・オポライス
デ・グリュー:グレゴリー・クンデ
レスコー:アレッサンドロ・ルオンゴ

ローマ歌劇場管弦楽団
ローマ歌劇場合唱団

※表記の出演者は2018年5月31日現在の予定です。病気や怪我などのやむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。その場合、指揮者、主役の歌手であっても代役を立てて上演することになっておりますので、あらかじめご了承ください。

■料金(税込)
S席¥54,000 A席¥47,000 B席¥40,000 C席¥33,000
D席¥26,000 E席¥19,000 F席¥12,000
学生券¥8,000
*学生券はNBS WEBチケットのみで2018.8/3(金)18:00より受付開始。

http://www.nbs.or.jp/stages/2018/roma/