最新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』のプロモーションのために来日したソフィア・コッポラ(ローマ歌劇場《椿姫》の演出家)。ジャパンプレミアの翌日1月18日にはトーク・イベントも開催されました。
このイベントは、映画の公開に合わせて発売される、ソフィア・コッポラの監督20周年を記念したメモリアル・フォトブックの撮影をしたアンドリュー・ダーハムとの登壇。2人は25年来の友人とのこと。お互いにそれぞれの感性を理解し、才能への敬意をもつ間柄です。「映画の撮影現場を覗き見しているような」気軽なスナップショットが撮り続けられてきたのも、強い信頼関係の証しと言えます。
参加者からの「映画の題材の決め手は?」という問いに、ソフィア・コッポラは「良い質問だわ!」と言い、「それは私にとってもミステリーなの。忘れようとしても忘れられない、時間が経っても頭から離れない、ということが生まれることがあって、それを頭の中から取り除くために映画を作るという感じですね」と答えました。
2月23日から公開される映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は、ソフィア・コッポラの初のスリラー作品であることも話題となっています。この点について彼女は「ストーリー自体がスリラーでサザン・ゴシック*のジャンルと言えます。そういうなかで自分のスタイルを取り入れることにチャレンジしました。目標にしたエンターテインメントとアートフルの両立はできたと思っています」と語りました。
前日のジャパンプレミア、そしてこのトーク・イベントの両日を通じて、ソフィア・コッポラには、とてもナチュラルな人という印象を受けました。話す声も話すときの身振りも、決して誇張することのない自然なままです。映画でもオペラでも「観る人が登場人物をリアルに感じられる」ことを大切に考えるソフィア・コッポラ。《椿姫》はもう何度も観ているというオペラ・ファンにとっても、彼女が作り出すヴィオレッタ、アルフレード、そしてジェルモンには新たな期待が膨らむのでは?
*サザン・ゴシック(南部ゴシック/Southern Gothic)
サザン・ゴシックは、ゴシック小説様式のサブジャンルで、アメリカ文学特有のもの。
作品のなかに起こる不気味なことや異常な出来事が、プロットを左右する要素となるのがゴシック小説の特徴の一つ。元来のゴシック小説はこれをサスペンスのために用いるが、サザン・ゴシックでは社会問題を掘り下げたり、アメリカ南部の文化的な雰囲気を表すために用いられる。
■映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
2018.2月23日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかで全国公開
公式サイト:http://beguiled.jp/
■公演情報
ローマ歌劇場2018年日本公演
《椿姫》
9月9日(日) 15:00
9月12日(水) 15:00
9月15日(土) 15:00
9月17日(月・祝)15:00
東京文化会館
指揮: ヤデル・ビニャミーニ
演出: ソフィア・コッポラ
美術: ネイサン・クロウリー
衣裳: ヴァレンティノ・ガラヴァーニ
照明: ヴィニーチョ・チェーリ
ビデオ: イゴール・レンツェッティ、ロレンツォ・ブルーノ
振付: ステファン・ファヴォラン
■出演
ヴィオレッタ・ヴァレリー: フランチェスカ・ドット
フローラ・ベルヴォワ: エリカ・ベレッティ
アルフレード・ジェルモン: アントニオ・ポーリ
ジョルジョ・ジェルモン: アンブロージョ・マエストリ
ローマ歌劇場管弦楽団
ローマ歌劇場合唱団
ローマ歌劇場バレエ団
※表記の出演者は2018年5月31日現在の予定です。病気や怪我などのやむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。その場合、指揮者、主役の歌手であっても代役を立てて上演することになっておりますので、あらかじめご了承ください。
■料金(税込)
S席¥54,000 A席¥47,000 B席¥40,000 C席¥33,000
D席¥26,000 E席¥19,000 F席¥12,000
学生券¥8,000
*学生券はNBS WEBチケットのみで2018.8/3(金)18:00より受付開始。