ペトレンコ、日本デビューの衝撃!

 オペラ開幕に先立つ9月17日、バイエルン国立歌劇場日本公演の特別演奏会として行われたバイエルン国立管弦楽団演奏会は、キリル・ペトレンコの日本デビューを飾るにふさわしい、歴史的な名演となりました。
 プログラムは、ロシアのピアニスト、イゴール・レヴィットとの共演によるラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」と、マーラーの交響曲第5番。歯切れの良さや美しい響きが繰り広げられたラフマニノフの終演後、ピアニストとペトレンコは何度も舞台に登場し、鳴り止まない拍手に応えました。

ペトレンコの日本デビュー1曲目となったラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」 イゴール・レヴィット(Pf)
Photo: Bayerische Staatsoper / W. Hösl

前半を終えて拍手に応えるピアニストのイゴール・レヴィット(中央)とマエストロ・ペトレンコ(右)
Photo: Bayerische Staatsoper / W. Hösl

 休憩を挟んで、いよいよマーラー。来場者の誰もが大きな期待を抱いていたことは確かでしょう。しかし、想像をはるかに超える素晴らしさが実現します! あらゆる感情がめまぐるしく登場するこの曲を、微塵の隙もなく、圧倒的に演奏しきったペトレンコとバイエルン国立管弦楽団のこの日の演奏を「完璧」と評することに異論を唱える人はいないはずです。
 この演奏会の直後に行われたバイエルン国立歌劇場日本公演の記者会見で、ペトレンコはこう語りました。「録音よりライブでの演奏が重要だと思っています。ライブには、音楽の生き生きしたものがあります。その時、その場にしかないものが大切だと考えているのです」
 この演奏会にいらした方なら、マエストロのこの思いを、大いに納得することができるはず。ペトレンコの日本デビューの衝撃は、ここでしか味わえないものだったのですから。

当日のリハーサル
Photo: Bayerische Staatsoper / W. Hösl

Photo: Bayerische Staatsoper / W. Hösl


【公演日程】
バイエルン国立歌劇場日本公演

《タンホイザー》
作曲:R.ワーグナー
演出:ロメオ・カステルッチ
指揮:キリル・ペトレンコ
9月21日(木) 3:00p.m.
9月25日(月) 3:00p.m.
9月28日(木) 3:00p.m.
会場:NHKホール

■予定される主な出演
領主ヘルマン:ゲオルク・ゼッペンフェルト
タンホイザー:クラウス・フロリアン・フォークト
ウォルフラム:マティアス・ゲルネ
エリーザベト:アンネッテ・ダッシュ
ヴェーヌス:エレーナ・パンクラトヴァ

※表記の出演者は2017年1月20日現在の予定です。
http://www.bayerische2017.jp/tannhauser/