ソフィア・コッポラが《椿姫》について答えてくれた最新スペシャル・インタビューとポイント映像をご紹介する2回目は、実際に演出を手がけてきたことに関してです。
ーー今回の《椿姫》は、ファッション界の大御所ヴァレンティノ・ガラヴァーニ氏が衣裳を手がけるということでも大きな話題を呼んでいます。演出家として、衣裳デザインについてヴァレンティノ・ガラヴァーニ氏への要望を出されたり、コンセプトを話しあわれたりしたのでしょうか?
最初にヴァレンティノ・ガラヴァーニがデザイン画を見せてくれました。その後、早い段階のフィッティングから同席し、ヴァレンティノがヴィオレッタをどのように描こうとしているのかを理解するようにしました。そうするなかで、ヴァレンティノの作品を前面に見せるような舞台にしようと思いましたし、ある意味では彼のリードに従いたいと思いました。彼は映画「マリー・アントワネット」での私の仕事をとても気に入ってくれたので、私はそのやり方をもう一度試したいと思いました。もちろんオペラのやり方や伝統を尊重しながらですが。
ーー映画のようにコンセプトを考え、脚本を書くところからではなく、すでに楽曲としてあるオペラを演出するということに対して、初めて手がける際にまずどのようなことをされたのでしょう?
映画製作の最初の段階と同じように、ヴィジュアル資料を観ることから始めました。そうすることで、雰囲気や情景や人物像を理解します。
ーー舞台美術を担当したネイサン・クロウリー氏は、貴方が選ばれたと聞いています。演出家として、クロウリー氏に、何か特別な要望を出されたのでしょうか?
ネイサン・クロウリーはとても才能がありますし、美術館の展示の仕事も経験しているので、衣裳を見せるということについて理解があるだろうと思いました。クロウリーと私は、舞台セットに雰囲気を持たせたいけれど、同時に、衣裳に焦点が当たるようにしたいと思いました。また、舞台セットはミニマルにしつつも、時代背景と合うようにしたいと考えました。
その3につづく
【動画】ローマ歌劇場新演出《椿姫》初演時のプロモーションビデオ
■公演情報
ローマ歌劇場2018年日本公演
《椿姫》
2018.
9月9日(日) 15:00
9月12日(水) 15:00
9月15日(土) 15:00
9月17日(月・祝)15:00
東京文化会館
指揮: ヤデル・ビニャミーニ
演出: ソフィア・コッポラ
美術: ネイサン・クロウリー
衣裳: ヴァレンティノ・ガラヴァーニ
照明: ヴィニーチョ・チェーリ
ビデオ: イゴール・レンツェッティ、ロレンツォ・ブルーノ
振付: ステファン・ファヴォラン
■出演
ヴィオレッタ・ヴァレリー: フランチェスカ・ドット
フローラ・ベルヴォワ: エリカ・ベレッティ
アルフレード・ジェルモン: アントニオ・ポーリ
ジョルジョ・ジェルモン: アンブロージョ・マエストリ
ローマ歌劇場管弦楽団
ローマ歌劇場合唱団
ローマ歌劇場バレエ団
※表記の出演者は2018年5月31日現在の予定です。病気や怪我などのやむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。その場合、指揮者、主役の歌手であっても代役を立てて上演することになっておりますので、あらかじめご了承ください。
■料金(税込)
S席¥54,000 A席¥47,000 B席¥40,000 C席¥33,000
D席¥26,000 E席¥19,000 F席¥12,000
学生券¥8,000
*学生券はNBS WEBチケットのみで2018.8/3(金)18:00より受付開始。