歌劇場のオーケストラは、いうまでもなく、オペラの上演を担う重要な存在です。シーズンの間には、何人もの客演指揮者を招きますが、歌劇場の個性を聴くなら、やはり「監督」のもとでの演奏でしょう。
キリル・ペトレンコを音楽総監督に擁するバイエルン国立歌劇場のオーケストラ=バイエルン国立管弦楽団の演奏は、いま、それをもっとも強く感じさせると言えるのではないでしょうか。
綿密に、細部にいたるまでこだわりながらリハーサルを進めるタイプの指揮者は、ペトレンコの他にも少なくありません。なかには、それがマイナスとなる場合もあるでしょう。たった一つのフレーズに何時間もかけるというやり方に、「やれやれ・・・」と感じることは容易に想像されるものでもあります。しかし、ペトレンコとバイエルン国立管弦楽団の間には、そうしたことは一切無いことが、その演奏からうかがわれます。マエストロの求めることに一つひとつ対応していくことで、確実に素晴らしくなっていくことを、メンバーの誰もが感じているからです。オーケストラ団員たちは、ペトレンコの指揮のもとで演奏することを何よりも幸せに感じているのです。
2013年にペトレンコが音楽総監督に就任してから4年が経ついま、彼らのコンビネーションは“完璧”!
日本公演が行われるおよそ一年前、ペトレンコとバイエルン国立管弦楽団はヨーロッパ・ツアーを行いました。堂々たる演奏とともに、ツアーの移動の模様や団員たちがペトレンコとツアーできることの幸せを語るコメントなどが収められた映像はこちらから
【公演日程】
バイエルン国立歌劇場日本公演
《タンホイザー》
作曲:R.ワーグナー
演出:ロメオ・カステルッチ
指揮:キリル・ペトレンコ
9月21日(木) 3:00p.m.
9月25日(月) 3:00p.m.
9月28日(木) 3:00p.m.
会場:NHKホール
■予定される主な出演
領主ヘルマン:ゲオルク・ゼッペンフェルト
タンホイザー:クラウス・フロリアン・フォークト
ウォルフラム:マティアス・ゲルネ
エリーザベト:アンネッテ・ダッシュ
ヴェーヌス:エレーナ・パンクラトヴァ
《魔笛》
作曲:W.A.モーツァルト
演出:アウグスト・エヴァーディング
指揮:アッシャー・フィッシュ
9月23日(土・祝) 3:00p.m.
9月24日(日) 3:00p.m.
9月27日(水) 6:00p.m.
9月29日(金) 3:00p.m.
会場:東京文化会館
■予定される主な出演
ザラストロ:マッティ・サルミネン
タミーノ:ダニエル・ベーレ
夜の女王:ブレンダ・ラエ
パミーナ:ハンナ=エリザベス・ミュラー
パパゲーノ:ミヒャエル・ナジ
パパゲーナ:エルザ・ベノワ
※表記の出演者は2017年1月20日現在の予定です。