《魔笛》に揃う当たり役の歌手たち(2)

 バイエルン国立歌劇場日本公演《魔笛》に登場する歌手を紹介するシリーズ。2回目は女性陣です。

《魔笛》第2幕より
Photo:Wilfried Hösl

世界が注目する美しき新鋭コロラトゥーラ演じる夜の女王
ブレンダ・ラエ

 アメリカ、ウィスコンシン出身のソプラノ。2008年からフランクフルト州立歌劇場を拠点に本格的な活躍をスタートしたブレンダ・ラエ。すでに世界の著名なオペラハウスで活躍していて、そのレパートリーには、夜の女王を筆頭に、《ナクソス島のアリアドネ》のツェルビネッタや《ホフマン物語》のオリンピアとジュリエッタ、《ランメルモールのルチア》と《マリア・ストゥアルダ》のタイトルロールなど、コロラトゥーラを駆使する難役がずらり。いくつかの録音がグラミー賞にノミネートもされています。いま最も注目すべきコロラトゥーラ・ソプラノの新鋭と言ってよいでしょう。《魔笛》最大の聴きものである夜の女王のアリアでの本領発揮に期待!

ブレンダ・ラエ
Photo:Kristin Hoebermann

堂々たる声量で魅了するパミーナ
ハンナ=エリザベス・ミュラー

 ハンナ=エリザベス・ミュラーは、いわばバイエルン国立歌劇場の“生え抜き”。バイエルン国立歌劇場オペラ・スタジオを経て、アンサンブル・メンバーとして活躍、2013年にはミュンヘン・オペラ・フェスティバル賞を獲得しました。翌14年にはザルツブルク復活祭音楽祭でティーレマン指揮《アラベラ》のズデンカで一躍注目を集め、オペルン・ヴェルト誌の年間最優秀若手歌手に選ばれました。2016/17年シーズンにはメトロポリタン歌劇場へのデビューも果たす注目の実力派です。強力な母親とは異なり、穏やかさをもちながらも毅然とした芯の強さをもつパミーナには、彼女の持ち味である堂々たる声量が魅力に。

ハンナ=エリザベス・ミュラー
Photo:Chris Gonz

若く愛らしいパパゲーナにはパパゲーノじゃなくても首ったけ!?
エルザ・ベノワ

 
 フランス人ソプラノ、エルザ・ベノワは、アムステルダム音楽院を2011年に卒業、13年から15年にはバイエルン国立歌劇場オペラ・スタジオで研鑽を重ねました。2015/16年シーズンには、クラーゲンフルト市立劇場のメンバーとして活躍。驚くほど美しく魅力的な存在感と評された期待の若手。
パパゲーナは、“18歳と2分”の年齢だと言いながら、老婆の姿でパパゲーノの前に現れます。でも、最後にはパパゲーノとお揃いの鳥の羽の衣裳を着た愛らしい娘として登場! パパゲーノとの二重唱「パ・パ・パのアリア」での愛らしさには、思わず微笑んでしまうはず。

エルザ・ベノワ
Photo:Wilfried Hösl

【公演日程】
バイエルン国立歌劇場日本公演

《魔笛》
作曲:W.A.モーツァルト
演出:アウグスト・エヴァーディング
指揮:アッシャー・フィッシュ
9月23日(土・祝) 3:00p.m.
9月24日(日) 3:00p.m.
9月27日(水) 6:00p.m.
9月29日(金) 3:00p.m.
会場:東京文化会館

■予定される主な出演
ザラストロ:マッティ・サルミネン
タミーノ:ダニエル・ベーレ
夜の女王:ブレンダ・ラエ
パミーナ:ハンナ=エリザベス・ミュラー
パパゲーノ:ミヒャエル・ナジ
パパゲーナ:エルザ・ベノワ

http://www.bayerische2017.jp/