2020年2月定期の聴きどころ

マエストロ・チョンにとっての十八番《カルメン》は
2020シーズンの目玉

 チョン・ミョンフンにとって、ビゼーは特別な作曲家である。ドイツ・グラモフォンでの最初期(1991年)の録音にパリ・バスティーユ管弦楽団とのビゼー作品集があり、そこには《カルメン》組曲、「アルルの女」組曲、「子供の遊び」の素晴らしい演奏が収められていた。ビゼー作品のなかでも《カルメン》はチョン・ミョンフンの十八番であり、たとえば、2004年の東京でピットに入ったフランス国立放送フィル、藤原歌劇団との上演は目覚ましい成功を収めた。そして20年2月に、名誉音楽監督を務める東京フィルの定期演奏会で《カルメン》全曲を演奏会形式で取り上げる。

 《カルメン》の熱い音楽は、情熱的な演奏をするチョン・ミョンフンにぴったりである。今回、カルメンを歌うマリーナ・コンパラートは、すでににチョン・ミョンフンとヴェネチアのフェニーチェ歌劇場の《カルメン》で共演し、マエストロから高い評価を得ている。また、オペラ経験の豊かな東京フィルへのチョン・ミョンフンの信頼は厚い。マエストロは、音楽に集中し且つディテールにも気配りできる演奏会形式でのオペラ上演を楽しみにしている。チョン・ミョンフンの《カルメン》は、20年度の東京フィル定期演奏会の目玉といえよう。
文:山田治生


【公演情報】
第131回 東京オペラシティ定期シリーズ
2020.2/19(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
第932回 サントリー定期シリーズ
2020.2/21(金)19:00 サントリーホール
第933回 オーチャード定期演奏会
2020.2/23(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール

指揮:チョン・ミョンフン
カルメン(メゾソプラノ):マリーナ・コンパラート
ドン=ホセ(テノール):キム・アルフレード
ミカエラ(ソプラノ):アンドレア・キャロル
エスカミーリョ(バリトン):チェ・ビョンヒョク
スニガ(バス):伊藤貴之
モラレス(バリトン):青山貴
ダンカイロ(バリトン):上江隼人
レメンダード(テノール):清水徹太郎
フラスキータ(ソプラノ):伊藤晴
メルセデス(メゾソプラノ):山下牧子
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:杉並児童合唱団

ビゼー:歌劇《カルメン》(演奏会形式)