チョン・ミョンフンは、新シーズンの定期演奏会でまずマーラーの交響曲第二番「復活」を取り上げる。彼とオーケストラにとって、この作品は新星日本交響楽団との合併直後の2001年(スペシャル・アーティスティック・アドヴァイザーに就任)にも記念碑的演奏を成し遂げたこともあって、特別な思いのある曲だろう。
名誉音楽監督としてのスタートにあたってふたたび同曲を選んだことにはマエストロの強い思いがあるのだろうし、声楽と合唱も加わる劇的な大作では長年オペラで活躍する彼の実力が存分に発揮されることだろう。何より「復活」はマエストロの個性によく合う作品だ、過去に何度となく記憶に残るマーラーを演奏してきたチョン・ミョンフンと東京フィルのさらなる名演をこの特別な機会に期待したい。
なお、今回は同曲を7月定期から間を開けて再び9月に演奏する。9月定期はサントリーホール改装後、東京フィルによる最初のコンサートとして、日本が誇るホールの新生を祝う意味でも特別な公演となるだろう。
第894回オーチャード定期演奏会
2017年7月23日(日)15:00
Bunkamuraオーチャードホール
第111回東京オペラシティ定期シリーズ
2017年7月21日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール
第895回サントリー定期シリーズ
2017年9月15日(金)19:00
サントリーホール 大ホール
指揮:チョン・ミョンフン
ソプラノ:安井陽子
メゾ・ソプラノ:山下牧子
合唱:新国立劇場合唱団
マーラー/交響曲第2番『復活』
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522(平日10:00〜18:00)