東京フィルハーモニー交響楽団の新シーズンは、2016年10月に首席指揮者に就任したアンドレア・バッティストーニの指揮で開幕する。彼がシェフとして迎える新シーズン、その最初の公演でストラヴィンスキーの「春の祭典」を披露するのだから期待しないわけにはいかない。知的な分析と力強いパフォーマンスを両立させる彼ならば、きっと衝撃的な演奏で我々を驚かせてくれることだろう。そしてその驚きが、東京フィルハーモニー交響楽団の新時代を告げるものとなる。
コンサートの前半にはイタリア・オペラからの舞曲が並ぶ。ヴェルディの傑作「オテロ」と、ザンドナーイの「ジュリエッタとロメオ」から選曲することでコンサートにテーマを持たせ、同時に9月の公演を先取りして披露する目配りはまさにシェフの仕事だ。代表作「フランチェスカ・ダ・リミニ」ではなく、知られざる傑作の真価を問うことでザンドナーイを紹介するこだわりにも注目しよう。
2017年5月21日(日)15:00
Bunkamuraオーチャードホール
第109回東京オペラシティ定期シリーズ
2017年5月19日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ
ヴェルディ/歌劇『オテロ』第3幕より舞曲
ザンドナーイ/歌劇『ジュリエッタとロメオ』より舞曲
ストラヴィンスキー/バレエ音楽『春の祭典』
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522(平日10:00〜18:00)