2020年11月・21年1月 午後のコンサートの聴きどころ

 「午後のコンサート」は、誰もが聴いたことのある名曲と指揮者のトークで過ごす午後のひととき。
 11月はベテラン、円光寺雅彦が登場する。かつて東京フィルの副指揮者、指揮者を務めるなど、同楽団とは親密な関係にあり、NHKの『名曲アルバム』での共演でも人気を博している。

 11月22日の「休日」シリーズ公演では、夢や幻想と関わりの深い、メンデルスゾーンの『真夏の夜の夢』やベルリオーズの「幻想交響曲」からの音楽が演奏される。そして、ソプラノの市原愛が出演し、J.S.バッハ=グノーの「アヴェ・マリア」、ヘンデルの歌劇《セルセ》より「オンブラ・マイ・フ」で、澄んだ歌声を披露。また、この日は「いい夫婦の日」にあたり、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」など、この日にふさわしい作品が取り上げられる。

 11月25日の「渋谷」シリーズには、人気のピアニスト、清塚信也が登場し、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を共演する。また、ポンキエッリの「時の踊り」やヴォルフ=フェラーリのオペラ《マドンナの宝石》間奏曲など、まさに『名曲アルバム』で取り上げられるチャーミングな小品が演奏されるのも楽しみだ。

左より:円光寺雅彦、市原 愛、清塚信也、三ツ橋敬子

 そして2021年1月11日の「休日」公演では、進境著しい三ツ橋敬子が指揮を執る。かつてウィーンに留学していた彼女が、ヨハン・シュトラウス2世の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」、スメタナの「モルダウ」、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」第4楽章など、中央ヨーロッパの作曲家たちの名曲を取り上げる。ますます活躍の場を広げている三ツ橋の演奏に期待が寄せられる。彼女のトークにも注目。
文:山田治生


【紹介公演】
●第86回 休日の午後のコンサート〈夢見る日々〜いい夫婦の日〜〉
2020.11/22(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール

https://www.tpo.or.jp/concert/20201122-01.php

指揮とお話:円光寺雅彦
ソプラノ:市原 愛*

メンデルスゾーン/劇音楽『真夏の夜の夢』より「結婚行進曲」
J.S.バッハ=グノー/アヴェ・マリア*
ヘンデル/歌劇『セルセ』よりオンブラ・マイ・フ*
ベルリオーズ/劇的物語『ファウストの劫罰』より「ラコッツィ行進曲」
ヴォルフ=フェラーリ/歌劇『マドンナの宝石』間奏曲
ベルリオーズ/幻想交響曲より
ほか

●第8回 渋谷の午後のコンサート〈あの名曲アルバム〉
2020.11/25(水)12:00、15:00 Bunkamura オーチャードホール

*本公演は同日2公演の開催に変更となりました。(6/17主催者発表)

https://www.tpo.or.jp/concert/20201125-01.php

指揮とお話:円光寺雅彦
ピアノ:清塚信也*

ベルリオーズ/劇的物語『ファウストの劫罰』より「ラコッツィ行進曲」
ヴォルフ=フェラーリ/歌劇『マドンナの宝石』間奏曲
ガーシュウィン/ラプソディ・イン・ブルー*
ポンキエッリ/歌劇『ラ・ジョコンダ』より「時の踊り」
ベルリオーズ/幻想交響曲より

●第87回 休日の午後のコンサート〈夢のつづき〉
2021.1/11(月・祝)14:00 東京オペラシティ コンサートホール

https://www.tpo.or.jp/concert/20210111-01.php

指揮とお話:三ツ橋敬子

スメタナ/連作交響詩『わが祖国』より「モルダウ」
J.シュトラウスⅡ/トリッチ・トラッチ・ポルカ
ドヴォルザーク/交響曲第9番『新世界より』から第4楽章
ほか