【動画レポート】東京フィル ビゼー/歌劇《カルメン》(演奏会形式)

 東京フィルハーモニー交響楽団が、2020シーズン2月定期演奏会でビゼーのオペラ《カルメン》を演奏する。指揮は名誉音楽監督のチョン・ミョンフン。
 マエストロ・チョンにとって《カルメン》は十八番と言える作品。2004年には藤原歌劇団/オランジュ音楽祭共同制作オペラ公演(管弦楽:フランス国立放送フィル)で指揮し大成功を収めたほか、最近では17年にフェニーチェ歌劇場で指揮、さらに本公演のあと、3月から4月にかけて同劇場への再登板も決まっている。

 今回は演奏会形式ながら、マエストロ自身のこだわりの演出がほどこされ、照明効果と相まって劇的な仕上がりをみせる。また楽譜にアルコア版を採用しているから、台詞や管弦楽の響きにふだん耳慣れたものと異なるものを感じ取れるはずだ。

左:キム・アルフレード(ドン=ホセ) 右:マリーナ・コンパラート(カルメン)

 歌手陣も豪華だ。カルメン役に、フェニーチェ歌劇場でも共演したマリーナ・コンパラート(3月同劇場にも出演)を迎えるほか、1998年ミュンヘン国際音楽コンクール声楽部門で1位なしの2位および特別賞を受賞、世界の主要歌劇場で歌うキム・アルフレードをドン・ホセ役に、トリノ、ボローニャはじめイタリア各地の歌劇場で活躍するチェ・ビョンヒョクをエスカミーリョ役に、現在ウィーン国立歌劇場契約歌手を務めるアンドレア・キャロルをミカエラに起用する。

手前左:キム・アルフレード(ドン=ホセ)
右:チェ・ビョンヒョク(エスカミーリョ)

 脇を固める日本人歌手も、伊藤貴之、青山貴、上江隼人、清水徹太郎、伊藤晴、山下牧子と盤石だ。オペラ演奏では国内トップレベルでの演奏を誇る東京フィルと、さらに、新国立劇場合唱団も加わった公演、期待は膨らむばかりだ。
(2020.2/17 東京オペラシティコンサートホールで取材、収録)
取材・文・撮影:寺司正彦


【動画】チョン・ミョンフン&東京フィル〜ビゼー《カルメン》(演奏会形式)より


【公演情報】

第131回 東京オペラシティ定期シリーズ
2020.2/19(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール(完売)
第932回 サントリー定期シリーズ
2020.2/21(金)19:00 サントリーホール(完売)
第933回 オーチャード定期演奏会
2020.2/23(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール(完売)

指揮:チョン・ミョンフン
カルメン(メゾソプラノ):マリーナ・コンパラート
ドン=ホセ(テノール):キム・アルフレード
ミカエラ(ソプラノ):アンドレア・キャロル
エスカミーリョ(バリトン):チェ・ビョンヒョク
スニガ(バス):伊藤貴之
モラレス(バリトン):青山貴
ダンカイロ(バリトン):上江隼人
レメンダード(テノール):清水徹太郎
フラスキータ(ソプラノ):伊藤晴
メルセデス(メゾソプラノ):山下牧子
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:杉並児童合唱団

ビゼー:歌劇《カルメン》(演奏会形式)