【12月定期】若きマエストロ・伊藤翔

 1982年生まれの伊藤翔がイタリアで開催された第1回「ニーノ・ロータ国際指揮コンクール」でニーノ・ロータ賞(優勝)およびオーケストラ賞を受賞したことは、2016年の明るいニュースの一つだった。
 この報せに触れて「垣内悠希、山田和樹、川瀬賢太郎らの世代にもうひとり、注目すべき才能が登場した」と思われた方は少し待ってほしい。彼のキャリアは10年以上前、大阪フィルハーモニー交響楽団を桐朋学園大学在学中に指揮した時から始まっているのだ。その後、内外の音楽家と共演を重ねて経験を積み、栄誉も得た彼が、いよいよ2017年末に東京フィルの定期演奏会に登場する。その舞台に彼が選んだのはチャイコフスキーの交響曲第四番。2012年に「フレッシュ名曲コンサート」で東京フィルと演奏した作品だ。そして同じくチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番には名ピアニスト、小山実稚恵を迎えて布陣は盤石、若きマエストロ飛躍の舞台は整った。

左:伊藤 翔 C)K.Miura 右:小山実稚恵 C)ND CHOW

左:伊藤 翔 C)K.Miura 右:小山実稚恵 C)ND CHOW

第899回サントリー定期シリーズ
2017年12月5日(火)19:00 サントリーホール

指揮:伊藤翔(第1回ニーノ・ロータ国際指揮コンクール優勝)
ピアノ:小山実稚恵*

カバレスフキー/歌劇『コラ・ブリュニョン』序曲
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番*
チャイコフスキー/交響曲第4番
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522(平日10:00〜18:00)