【19年11月定期】新世代のマエストロ登場!

 昨年のセイジ・オザワ松本フェスティバルでサイトウ・キネン・オーケストラを相手にバーンスタイン作品を指揮し、見事な日本デビューを飾ったケンショウ・ワタナベ。《キャンディード》序曲での速めのテンポのメリハリの効いた演奏やミュージカル『オン・ザ・タウン』から3つのダンス・エピソードでのキレの良い、大胆な表現に新しい世代のマエストロの登場を印象付けた。横浜で生まれ、5歳からアメリカで暮らし、ヴァイオリンと指揮を学ぶ。現在、ヤニック・ネゼ=セガン音楽監督のもと、フィラデルフィア管弦楽団のアシスタント・コンダクターを務めている。
 今回の東京フィル定期演奏会デビューではマーラーの交響曲第1番「巨人」を取り上げる。マーラーの青春のシンフォニーというべき「巨人」での、若きマエストロの勢いのある音楽作りが非常に楽しみだ。演奏会前半では、現在82歳の大ベテラン、舘野泉がラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」を弾く。世代を超えたアーティストの共演に注目である。
文:山田治生

ケンショウ・ワタナベ
(c)Andrew Bogard

第129回東京オペラシティ定期シリーズ
2019年11月22日(金)19:00東京オペラシティ コンサートホール
第929回オーチャード定期演奏会
2019年11月23日(土・祝)15:00Bunkamuraオーチャードホール

指揮:ケンショウ・ワタナベ
ピアノ:舘野 泉*

ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲*
マーラー/交響曲第1番『巨人』

舘野泉
(C)武藤章