【19年4月定期】バッティストーニが最も愛するチャイコフスキー

 東京フィルの2019年4月の定期演奏会では、平成の終わりと新しい時代の到来を記念して、ウォルトンの戴冠行進曲「王冠」とモーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」が演奏される。ウォルトンの「王冠」は、1937年の英国王ジョージ6世の戴冠式で演奏された行進曲。「戴冠式」というニックネームがつく、モーツァルトのニ長調のピアノ協奏曲は、1790年のレオポルト2世のフランクフルトでの神聖ローマ帝国皇帝としての戴冠式の際に、作曲された。「戴冠式」で独奏を務めるのは小山実稚恵。日本を代表する国際的ピアニストが、新時代を迎えるにふさわしい祝典的演奏を聴かせてくれるであろう。
 指揮はアンドレア・バッティストーニ。2016年10月に東京フィルの首席指揮者就任以来、同楽団とともに目覚ましい活躍を繰り広げている。チャイコフスキーは、バッティストーニが少年時代から偏愛してきた作曲家。彼はチャイコフスキーの交響曲によってオーケストラ音楽の魅力に目覚めたと語る。今回は、バッティストーニが最も愛する交響曲の一つであるチャイコフスキーの第4番を取り上げる。バッティストーニ&東京フィルの情熱的なチャイコフスキーは聴き逃せない。
文:山田治生

(C)上野隆文

●第125回東京オペラシティ定期シリーズ
2019年4月16日(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール

●第920回サントリー定期シリーズ
2019年4月18日(木)19:00 サントリーホール 大ホール

●第921回オーチャード定期演奏会
2019年4月21日(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール

指揮:アンドレア・バッティストーニ
ピアノ:小山実稚恵*

ウォルトン/戴冠式行進曲『王冠』
モーツァルト/ピアノ協奏曲第26番『戴冠式』*
チャイコフスキー/交響曲第4番

小山実稚恵
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