【19年3月定期】特別客演指揮者ミハイル・プレトニョフが登場、ロシア・プログラムを披露

 ロシア・ソヴィエト音楽ファンとって最注目、すでに話題となっている公演が、東京フィル2019年3月定期。その大きな理由のひとつは、特別客演指揮者ミハイル・プレトニョフが登場して、久しぶりに東京フィルでロシアものを披露すること。そしてもうひとつが、メイン曲がハチャトゥリアン交響曲第3番「交響詩曲」であること。しかも、これをプレトニョフの指揮で聴けることである。

左:ミハイル・プレトニョフ C)上野隆文 右:ユーチン・ツェン C)Vincent Huang

 このシンフォニーは、大編成オーケストラに加え、トランペット15本のバンダにオルガンも付き、これ以上ないほどの大音響のスペクタクルを体験できる傑作にして怪作。東京フィルを鳴らすことにかけては屈指の存在であるプレトニョフの指揮で、この曲を体験できるということで、楽しみでならない。また、本作は派手なだけではなく、むしろ記念公演用の作品なのに作品全体は重い空気に満ちており、一筋縄ではいかない内容をもつ。その点プレトニョフなら、壮絶な音響に加えて、作品の深いメッセージまで押さえた、すべてにおいて完熟の名演を実現してくれるはず。
 また、前半の名作チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲では、2015年チャイコフスキー国際コンクールで最高位を受賞したユーチン・ツェンが登場。1994年生まれながら、コンクール歴に加えて、ドイツ・グラモフォンレーベルからアルバムをリリースするなど、すでに世界で活躍中の名手。チャイコフスキーの本場で最高評価を得た、期待の俊英のフレッシュなパフォーマンスも本公演の大きな注目となる。

第918回 サントリー定期シリーズ
2019.3/13(水)19:00 サントリーホール

第124回 東京オペラシティ定期シリーズ
2019.3/15(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール

第919回 オーチャード定期演奏会
2019.3/21(木・祝)15:00 Bunkamuraオーチャードホール

指揮:ミハイル・プレトニョフ
ヴァイオリン:ユーチン・ツェン*(2015年チャイコフスキー国際コンクール最高位)
チャイコフスキー/スラヴ行進曲
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲*
ハチャトゥリアン/バレエ音楽「スパルタクス」より“アダージョ”
ハチャトゥリアン/交響曲第3番「交響詩曲」