【18年7月定期】ロレンツォ・ヴィオッティが初登場

 7月の東京フィル定期演奏会には、いま急速に活躍の場を広げている20代の指揮者、ロレンツォ・ヴィオッティが客演する。ヴィオッティは1990年ローザンヌ生まれ、父は50歳で急逝したイタリアの名指揮者マルチェッロ・ヴィオッティ、母はフランス人というルーツをもち、ウィーン・コンセルヴァトリウム音楽大学、ワイマール・フランツ・リスト音楽院で学んでいる。最高の血統と多様な文化を背景にもつロレンツォ・ヴィオッティは、2013年にはわずか23歳にしてカダケス国際指揮コンクールとライプツィヒMDRコンクールで優勝するなど、スター指揮者への階段を駆け上がっている。

左:ロレンツォ・ヴィオッティ C)Gulbenkian Música_Márcia Lessa
右:小山実稚恵 C)Wataru Nishida

 注目のプログラムは、ラヴェルとドビュッシー、近代フランスの2大作曲家の名作集。前半はラヴェルの「道化師の朝の歌」とピアノ協奏曲を。ソリストは日本を代表するピアニスト小山実稚恵。ロシアやドイツ作品の演奏機会が多い小山はラヴェルも得意としており、俊英ヴィオッティとの共演で、美麗かつ洒脱な名演になりそう。後半は今年没後100周年を迎えたドビュッシーの代表作、「牧神の午後への前奏曲」と交響詩「海」を。多くの名指揮者が名演を披露してきた2作品で、俊英が東京フィルからどんな演奏を引き出すのか。今後ヴィオッティを語るうえでも逃せない演奏会になるはずだ。

第119回 東京オペラシティ定期シリーズ
2018.7/18(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール

第910回 サントリー定期シリーズ
2018.7/19(木)19:00 サントリーホール

●出演
指揮:ロレンツォ・ヴィオッティ
ピアノ:小山実稚恵*

●曲目
ラヴェル:道化師の朝の歌
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調*
ドビュッシー:牧神の午後ヘの前奏曲
ドビュッシー:交響詩『海』(管弦楽のための交響的素描)