そんなロッシーニの名序曲3作とシューベルトの「ザ・グレート」という、初期ロマン派の有名作かつ筋の通った名作プロを指揮するのは、東京フィル首席指揮者アンドレア・バッティストーニ。イタリア・オペラに圧倒的な力量を発揮する彼だけに、ロッシーニにおいても歌心と愉悦を最大限まで楽しませてくれるはず。そして、劣らぬ歌心をもつシューベルトの大作は、バッティストーニのアプローチに注目したい。同時代作品のベートーヴェン「第九」では苛烈なまでの表現とテンポを取った彼だが、「ザ・グレート」では同様に激しい感情を引き出すのか、優しい歌や温かみを前面に出すのか、さらに違う解釈なのか、予想がつかない。いずれにしても、今までにないような名演の体験になるだろう。東京フィルの意気込みや充実ぶりもあわせて、聴き逃せない公演になる。
●第121回 東京オペラシティ定期シリーズ
2018.11/12(月)19:00
東京オペラシティ コンサートホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ
ロッシーニ/歌劇《アルジェのイタリア女》序曲
ロッシーニ/歌劇《チェネレントラ》序曲
ロッシーニ/歌劇《セビリアの理髪師》序曲
シューベルト/交響曲第8番「ザ・グレート」