リーズナブルな料金設定も話題! 東京二期会オペラ劇場《こうもり》が11月に上演

 東京二期会は、11月25日から28日まで日生劇場にて、J.シュトラウスⅡ作曲のオペレッタ《こうもり》を上演する。
 2017年ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携により東京二期会がジャパン・プレミエを行ったプロダクションの再演だ。今年9月《魔笛》(宮本亞門演出)に続いて、「二期会名作オペラ祭」と銘打っての公演で、最上のS席を12000円という廉価の設定となっているのも注目。

2017年公演より 撮影:三枝近志

 演出は、チューリッヒ歌劇場総裁で世界的に著名なアンドレアス・ホモキ。印象に残る大きなシャンデリア、シックな木製家具やソファ、そしてエレガントな衣裳などオーセンティックな舞台美術でありながら、ステージ上の展開は、現代的でスタイリッシュ。クラシックとモダンが見事に融合している。照明の妙もあいまって、《こうもり》が活写する19世紀ウィーンの爛熟—光とともに影もまた―を見事に描き出している。

左:アンドレアス・ホモキ 
右:川瀬賢太郎 (C)Yoshinori Kurosawa

 指揮は、名古屋フィルハーモニー交響楽団正指揮者、神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者で、人気、実力とも若手筆頭株の川瀬賢太郎。今回が東京二期会オペラ劇場には初登場だが、17年にiichiko総合文化センター・神奈川県民ホール・東京二期会・神奈川フィルハーモニー管弦楽団共同制作公演《魔笛》を指揮、今年も2021グランドオペラフェスティバル in Japan二期会オペラ《魔笛》高崎、札幌公演の指揮を務めている。躍動感あふれるそのタクトは、J.シュトラウスIIのワルツやポルカ、そして有名な序曲にも相性の良さをみせるに違いない。

 出演者は、ファルケ役の宮本益光・加耒徹、ロザリンデ役の幸田浩子・木下美穂子など、東京二期会を代表する人気スター歌手が集結。そして、《こうもり》の楽しみのひとつでもあり、キャスティングに注目の集まる看守フロッシュ役には、タレントで歌手の森公美子の出演が決定した。

左より:宮本益光、加耒 徹、幸田浩子、木下美穂子 (C)Yoshinobu Fukaya/aura.Y2、森公美子

 《こうもり》は、ウィンナ・オペレッタの金字塔であり、また東京二期会伝統のオペレッタの十八番でもある。近年まで東京二期会のオペレッタ公演と言えば、日本語上演がもっぱらだったが、このプロダクションでは、日本語台詞、原語(ドイツ語)歌唱で上演される。音楽部分ではオリジナルのディクションをそのまま活かし、台詞部分では字幕を見る必要がなくオペレッタならではの芝居の妙を細部まで伝えようとの狙いだ。この秋オペレッタの喜びに浸りたい。


【Information】
《二期会創立70周年記念公演》
ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携公演
東京二期会オペラ劇場〈二期会名作オペラ祭〉
NISSAY OPERA 2021提携 オペレッタ《こうもり》

(全3幕・日本語字幕付原語(ドイツ語)歌唱・日本語台詞上演)

2021.11/25(木) 18:30、11/26(金)14:00、11/27 (土)14:00、11/28(日)14:00
日生劇場

演出:アンドレアス・ホモキ
指揮:川瀬賢太郎
管弦楽:東京交響楽団

アイゼンシュタイン:又吉秀樹(11/25, 11/27) 小林啓倫(11/26, 11/28)
ロザリンデ:幸田浩子(11/25, 11/27) 木下美穂子(11/26, 11/28)
フランク:斉木健詞(11/25, 11/27) 杉浦隆大(11/26, 11/28)
オルロフスキー:郷家暁子(11/25, 11/27) 成田伊美(11/26, 11/28)
アルフレード:澤原行正(11/25, 11/27) 金山京介(11/26, 11/28)
ファルケ:宮本益光(11/25, 11/27) 加耒 徹(11/26, 11/28)
ブリント:髙梨英次郎(11/25, 11/27) 大川信之(11/26, 11/28)
アデーレ:高橋 維 (11/25, 11/27) 雨笠佳奈(11/26, 11/28)
イダ:渡邊 史 (11/25, 11/27) 内山侑紀(11/26, 11/28)
フロッシュ:森 公美子(全日)
合唱:二期会合唱団


問:二期会チケットセンター03-3796-1831
http://www.nikikai.net
http://www.nikikai.net/lineup/diefledermaus2021/