《チャルダーシュの女王》聴きどころをハイライトでご紹介!

 今回の日本公演3演目のうち、《チャルダーシュの女王》を最大の楽しみにしている方も多いかもしれません。ハンガリーの劇場の歌姫とオーストリアの貴族の恋をテーマとしたこの作品には、歌や筋立てに加え、両国の音楽の特徴や踊りを伴う見せ場が満載なのです。ここでのご紹介も、すべてではありません。まずは“これだけは!”という聴きどころをピックアップしました。
 「ハイヤ、ハイヤ」は、シルヴァ登場の歌として知られる歌。“ジーベンビュルゲンの娘が恋をしたら、火の玉となって燃え上がる”と、ハンガリーでの最後のステージに立つシルヴァが、故郷の娘の激しい恋を歌います。
 続く「僕らはみな罪人」は、粋な遊び人のフェリ、ボニたちの信条といったところ。シルヴァや踊り子たちも加わる華やかな場面です。
 シルヴァ、フェリ、ボニ、エドウィンの4人はシャンパンを手に“愛とは何?”と歌うのが「幸福は遠くに追い求めないで」。シルヴァは“幸福を求めるなら、自分の心の中をさがしなさい。恋のあるところに幸福があるのだから・・”と歌います。
 「恋なんか、もうやめる!」と歌うのは名実ともに“独身貴族”のボニ。“恋は打ち止め”と言うそばから、“でも、キスくらいはするさ”と言うので、踊り子たちからからかわれる、という図です。楽しさ満点!
 エドウィンとシルヴァの二重唱「踊りたい」は、この作品のなかの白眉とのいうべきワルツ。しっとりとした美しい愛の讃歌です。
 そして、なんといっても、《チャルダーシュの女王》といえば「ヨイ・ママン」! “世界を買い占めよう、金なんかどうってことはない。地球だっていつまで廻り続けるか、明日では遅いんだ!”と、刹那に情熱をかけるこのオペラの“哲学”が、ハチャメチャな踊りとともに繰り広げられます。

Photo:Dimo Dimov / Volksoper

Photo:Dimo Dimov / Volksoper

■《チャルダーシュの女王》ハイライト