2012年の浜松国際ピアノコンクールで優勝を飾り、以来日本でも公演を重ねているイリヤ・ラシュコフスキーは、イルクーツク生まれのロシアのピアニスト。卓越した技巧と多彩な音色を誇るラシュコフスキーは、30代に入ってより充実度を増し、近年ではスクリャービンのソナタ全10曲を一気に演奏するステージなど、意欲あふれる企画も日本で実現している。
彼がヤマハホールで今回聴かせるのは、リストとショパン、19世紀の2大ピアニストの堂々たる名曲集だ。「ロシアの俊英が奏でる東欧の秋」と題されている通り、ハンガリーとポーランド、ふたりの出身地を前面に出すアプローチで、彼ならではの角度から名曲たちに新しい光を当ててくれるだろう。しかも、前半にリストのソナタ、後半にショパンのソナタ第2番「葬送」という、傑作にして難曲のソナタ2つを、彼の演奏で一気に聴けるのは嬉しく、聴きごたえ抜群。しかも、後半はショパンの同ソナタをあえてバラード第1番と第4番で挟む構成で、独自の視点が興味深い。
また、同じ10月の6日には、ウクライナ出身のコンスタンチン・リフシッツのリサイタルも同ホールで行われる。ソヴィエト・ロシア系のピアニストを連続して聴けるのも貴重な機会となりそうだ。
■珠玉のリサイタル&室内楽
イリヤ・ラシュコフスキー ピアノ・リサイタル
2017年10月14日(土)14:00 ヤマハホール
●出演
イリヤ・ラシュコフスキー(ピアノ)
●曲目
F.リスト/「巡礼の年 第1年 スイス」より 第8番 郷愁 S.160 R.10
/ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178 R.21
F.ショパン/バラード 第1番 ト短調 Op.23
/ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35
/バラード 第4番 ヘ短調 Op.52
●料金
全席指定 5,000円
●申込み方法:チケットぴあ
・TEL 0570-02-9999 ※座席選択不可
・Pコード:323-846
※発売初日は11:00より座席選択可能