日本とイギリスを拠点にして、長く世界各地で活躍する小川典子。主要オーケストラとの共演も数多く、BISレーベルから録音も多数リリースされ、名実ともに日本を代表するピアニストのひとりとして広く認められている名手である。
その小川が、小学生から高校生のころまで何度も演奏したのがヤマハホールという。この7月のリサイタルは、彼女にとってはその当時からリニューアルしたヤマハホールに“帰ってくる”感慨深い場でもあるだろう。小川自身「今回、ヤマハホールで演奏の機会を頂けて、光栄の至り。私の演奏経験の原点は、ここヤマハホールにある。待ちきれない」と、熱い思いと意気込みを語っている。
それは演目にもあらわれている。モーツァルトのK. 281と「トルコ行進曲付き」K. 331、2つのソナタに、リストの「ラ・カンパネラ」、ブラームスの間奏曲op.118-2、そしてメインにシューマン「幻想曲」と、とびきりの名曲が並ぶ。自身のたしかな成長と現在の到達点を表現しつくすかのような、深い思いの伝わるプログラムであり、そのメッセージをこのホールでしかと受けとめたい。
■小川典子 ピアノ・リサイタル
2017年7月7日(金)19:00 ヤマハホール
●曲目:
W.A.モーツァルト/ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 K. 281
W.A.モーツァルト/ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 「トルコ行進曲付き」 K. 331
F.リスト/パガニーニ大練習曲 第3番 嬰ト短調 「ラ・カンパネッラ(鐘)」 S.141/R.3b
J.ブラームス/6つの小品 第2番 間奏曲 イ長調 Op. 118
R.シューマン/幻想曲 ハ長調 Op.17
●料金:
全席指定5,000円
●チケット申込み方:チケットぴあ
・TEL 0570-02-9999
・Pコード:316-779