ドミトリー・シトコヴェツキー・トリオ

 バッハの「ゴルトベルク変奏曲」といえば、かのグレン・グールドによる録音をきっかけに世界的な人気作になっていったことはよく知られている。そのグールドの演奏に魅せられ、弦楽三重奏版のすばらしい編曲を作りあげたのが、名ヴァイオリニストのドミトリー・シトコヴェツキーである。彼はトリオ版を自ら演奏し続け、1984年録音のCDは今もってトリオ版演奏の筆頭に挙げられる名盤となり、2010年には再録音で新たな名演も実現。弦楽合奏版も編曲・指揮するなど、本作への愛情は衰えることがない。
 そしてこの6月、シトコヴェツキー自身のヴァイオリンでトリオ版が聴ける。現在では多くの著名奏者もこの編曲をとりあげているが、やはり“本家”の演奏はひときわ違う価値を持つだけに、同編曲のファンならば必聴というほかにない。ヴィオラのアレクサンダー・ゼムツォフに、再録音に参加したチェロのルイジ・ピオヴァーノと理想的な共演者にも恵まれ、わずか333席のヤマハホールで味わえるライヴは稀有な体験になること必至だ。

左より:ドミトリー・シトコヴェツキー、アレクサンダー・ゼムツォフ C)Richard Cannon、ルイジ・ピオヴァノ

ドミトリー・シトコヴェツキー・トリオ
〜J.S.バッハの世界〜

2017年6月21日(水)19:00 ヤマハホール

●出演:
ドミトリー・シトコヴェツキー(バイオリン)
アレクサンダー・ゼムツォフ(ビオラ)
ルイジ・ピオヴァノ(チェロ)

●曲目:
J.S.バッハ/3声のインヴェンション(シンフォニア) BWV787–801
J.S.バッハ(D.シトコヴェツキー編)/ゴルトベルク変奏曲 BWV988

●料金:
全席指定7,000円

●チケット申込み方:チケットぴあ
・TEL 0570-02-9999
・Pコード:316-778