【公演中止】2020年4月定期の聴きどころ

弟子の一人として、
特別な思いを抱くバーンスタイン作品

 現在、オーストリアの名門、トーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督を務める佐渡裕は、若き日、最晩年のレナード・バーンスタインに師事した。佐渡は、今も弟子の一人として、バーンスタインの作品を積極的に演奏し続けている。これまでに、バーンスタインのオーケストラ作品だけでなく、『ウエスト・サイド・ストーリー』『キャンディード』『オン・ザ・タウン』などのミュージカルの指揮にも取り組んできた。

 4月の東京フィルの定期演奏会は、師の没後30年を記念する、オール・バーンスタイン・プログラム。なかでも、独唱、語り、合唱、少年合唱を要する、交響曲第3番「カディッシュ」は上演機会が少ないゆえに、今回の佐渡&東京フィルの演奏は聴き逃せない。

 バーンスタインの最後の交響曲である「カディッシュ」は信仰がテーマとなっている。佐渡は、「カディッシュ」を、フランス放送フィル(1997)と、そして、トーンキュンストラー管(2018)と、計2度、録音するなど、この作品に対して特別な思いを抱いている。

 コンサートの前半には、ボストン交響楽団の創立100周年を記念して書かれたユーモラスな「ディヴェルティメント」と、ジャズ・バンドのために書かれ、クラリネット・ソロをフィーチャーする「前奏曲、フーガとリフス」が演奏される。つまり、このコンサートでは、バーンスタインのウィットにとんだ音楽とシリアスな大作のどちらもが楽しめるのである。
文:山田治生

*4月の定期演奏会(指揮:佐渡裕)は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、中止となりました。(4/1主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
https://www.tpo.or.jp/information/detail-20200401-02.php


【公演情報】

第936回オーチャード定期演奏会
2020.4/12(日)15:00 Bunkamura オーチャードホール
第133回 東京オペラシティ定期シリーズ
2020.4/14(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
第937回 サントリー定期シリーズ
2020.4/15(水)19:00 サントリーホール

指揮:佐渡 裕
ソプラノ:天羽明惠
語り:原田美枝子
合唱:晋友会合唱団
ほか

バーンスタイン:ディヴェルティメント
       :前奏曲、フーガとリフス
       :交響曲第3番「カディッシュ」

発売日
 最優先(賛助会員・ 定期会員):2月8日(土)
 優先(東京フィルフレンズ会員):2月15日(土)
 一般:2月25日(火)