チョン・ミョンフンの歌劇《フィデリオ》(18.5/6〜5/10)

 東京フィルハーモニー交響楽団の2018-19シーズンの定期演奏会ラインナップは、名指揮者たちが「これぞ!」という演目を披露するプログラムが並び、話題を呼んでいる。そのシーズン開幕を飾るのは、ベートーヴェンのオペラ《フィデリオ》の演奏会形式。しかも指揮者は同団名誉音楽監督のチョン・ミョンフンということで、春の最注目公演のひとつとなっている。
 ベートーヴェンがのこした唯一のオペラである《フィデリオ》は、名門歌劇場の記念公演やこけら落としといった節目のイベントでの上演機会も多い、堂々たる音楽をもつ演目。欧州でのオペラ経験豊富な巨匠チョン・ミョンフンの統率であれば、ベートーヴェンの音楽に不可欠な深みと熱気を帯びた演奏で、その深奥に迫ってくれるはずだ。
 発表されているキャスト(2018年1月3日現在)は、フロレスタン (テノール) :ペーター・ザイフェルト、レオノーレ (ソプラノ) :マヌエラ・ウール、ドン・ピツァロ (バリトン):ルカ・ピサローニ、ドン・フェルナンド(バリトン):小森輝彦、ロッコ(バス):フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ、マルツェリーネ(ソプラノ):シルヴィア・シュヴァルツ。「世界トップ歌手の集結」と謳えるほどの豪華歌手陣で、この公演に賭けるマエストロとオーケストラの思いが伝わってくる。なかでも、1980〜90年代の代表的なヘルデンテノールのザイフェルトは、17年のザルツブルク復活祭音楽祭では《ワルキューレ》ジークムント役で出演して、年輪の深みを加えた健在ぶりをそのライヴ映像で世界に示したばかり。役者がそろった《フィデリオ》は、オペラファンはもちろん必聴だし、普段なじみのない人にとっても最高の好機となる。

左より:チョン・ミョンフン C)上野隆文/東京フィル、ペーター・ザイフェルト C)Winfried Hösl、ルカ・ピサローニ C)Catherine Pisaroni

●第906回 オーチャード定期演奏会
2018.5/6(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール

●第907回 サントリー定期シリーズ
2018.5/8(火)19:00 サントリーホール

●第117回 東京オペラシティ定期シリーズ
2018.5/10(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール

指揮:チョン・ミョンフン
フロレスタン(テノール):ペーター・ザイフェルト
レオノーレ(ソプラノ):マヌエラ・ウール
ドン・フェルナンド(バリトン):小森輝彦
ドン・ピツァロ(バス):ルカ・ピサローニ
ロッコ(バス):フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ
マルツェリーネ(ソプラノ):シルヴィア・シュヴァルツ
合唱:東京オペラシンガーズ 他

ベートーヴェン/歌劇《フィデリオ》(演奏会形式)

最優先(賛助会員様・定期会員様対象):2017.12/18(月)
優先(東京フィルフレンズ会員様対象):2017.12/23(土)
Web 優先発売:2017.12/23(土)10 時~2018.1/31(金)23:59
一般:2018.2/1(土)

問:東京フィルチケットサービス 03-5353-9522(平日10時~18時、12/23(土)は10時~16時)
東京フィルWebチケットサービス http://tpo.or.jp/(24 時間受付・座席選択可)

新シーズンラインナップ一覧
http://tpo.or.jp/concert/2018-19season01.php