東京二期会「二つのサロメ~《エロディアード》&《サロメ》」プロジェクトを始動!

 2019年、東京二期会が画期的なオペラ・プロジェクトを打ち出した。「Le temps des deux “Salome” ~二つのサロメ」と銘打たれたこのプロジェクトは、共通するオリジナルの「物語」を持ちながら、まったく違った作品へと昇華した二つのオペラ~マスネ《エロディアード》(4月上演、指揮:ミシェル・プラッソン)とR.シュトラウス《サロメ》(6月上演、指揮:セバスティアン・ヴァイグレ)を連続上演する計画だ。

 オリジナルというのは、サロメの物語。紀元1世紀、古代パレスチナ副王ヘロデの後妻ヘロディアの娘であるサロメは、実在の人物でもある。その少女時代と洗礼者ヨハネの処刑にまつわるさまざまな物語、伝承をモティーフとした芸術作品は、ヨーロッパ中世から現代に至るまで、数多に誕生してきた。中でも、オペラとして結晶した作品がフランス・グランド・オペラ後期の傑作《エロディアード》と、世紀末芸術の到達点ともいうべきR.シュトラウスの衝撃作《サロメ》だ。

 《エロディアード》では、預言者ジャンに恋心を抱く純粋でナイーブな少女として描かれるサロメだが、《サロメ》では処刑された同じ預言者ヨカナーンの首を求めるという倒錯的な欲望へと向かう。

 なぜ、どのようにして、二つの「サロメ」は全く違うドラマになっていったのか。本公演を前に、今回のプロジェクトの意味を紹介し、より深く公演をお楽しみいただくためのトークとコンサートのイベントが、3月29日(金)に芸能花伝舎(新宿)で実施される。

 講師は、歌声とともに知的で、わかりやすく淀みのない解説でおなじみのテノール高田正人。そして、両公演の本キャストから、國光ともこ(《エロディアード》4月28日出演)と田崎尚美(《サロメ》6月6日・9日出演)の、二人のサロメが登場する。それぞれのサロメ像について自ら解説し、最後にはそれぞれの歌唱披露も予定されている。入場無料(要事前申込み)のイベントにつき、本公演の予習に足を運んでみてはいかが。


■■ イベント情報 ■■
二期会プレ・ソワレ ふたりのサロメ
~ひとつの物語から生まれた ふたつのオペラ《エロディアード》《サロメ》
2019.3/29(金)19:00(18:30開場、20:10頃終了予定)
芸能花伝舎 C2

(東京都新宿区西新宿6-12-30)
※会場は上履きをご利用いただきます

料金:入場無料(※席数に限りがあるため事前の予約が必要です)
出演:高田正人(テノール)
   國光ともこ(ソプラノ・東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ《エロディアード》サロメ役)
   田崎尚美(ソプラノ・東京二期会オペラ劇場《サロメ》サロメ役)
   湯浅加奈子(ピアノ)

イベントのお問合せ・ご予約:二期会チケットセンター03-3796-1831


【公演情報】
東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ
マスネ《エロディアード》(セミ・ステージ形式)

2019.4/27(土)17:00、4/28(日)14:00
Bunkamuraオーチャードホール

指揮:ミシェル・プラッソン
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団
主催:公益財団法人東京二期会、Bunkamura


ハンブルク州立歌劇場との共同制作公演 
東京二期会オペラ劇場 R.シュトラウス《サロメ》

2019.6/5(水)18:30、6/6(木)14:00、6/8(土)14:00、6/9(日)14:00
東京文化会館

指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
演出:ヴィリー・デッカー
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:二期会合唱団
主催:公益財団法人東京二期会、公益財団法人読売日本交響楽団

●本公演のお問合せ・チケットのご予約
二期会チケットセンター03-3796-1831(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
http://www.nikikai.net/ticket/