深作健太がベートーヴェンの記念年に《フィデリオ》を演出

 《フィデリオ》はベートーヴェンが遺した唯一のオペラ。それを生誕250年の記念の年に、演出させていただけるなんて。だけど演出家としては、ものすごく難しい作品なんですよね。台本の構成がシンプルすぎて、そのまま演出したのでは、ベートーヴェンさんが当時、訴えたかったはずの、激しいまでの〈自由〉への渇望が、現代の観客には伝わらなくなってしまう。フランス革命当時の、女性が男性に化けて夫を救うという設定の、ジェンダーの問題しかり。国家権力と闘って、政治犯として監獄に囚われる事の意味も、現代とはかなり違う訳で。そのあたりをどう演出するか、大きな挑戦が必要だと思います。


【Information】
東京二期会オペラ劇場
ベートーヴェン生誕250周年記念公演
《フィデリオ》(新制作)

2020.9/3(木)18:30、9/4(金)14:00、9/5(土)14:00、9/6(日)14:00
新国立劇場オペラパレス

演出:深作健太

指揮:大植英次
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団

ドン・フェルナンド:黒田 博(9/3,9/5) 小森輝彦(9/4,9/6)
ドン・ピツァロ:大沼 徹(9/3,9/5) 友清 崇(9/4,9/6)
フロレスタン:福井 敬(9/3,9/5) 小原啓楼(9/4,9/6)
レオノーレ:土屋優子(9/3,9/5) 木下美穂子(9/4,9/6)
ロッコ:妻屋秀和(9/3,9/5) 山下浩司(9/4,9/6)
マルツェリーネ:冨平安希子(9/3,9/5) 愛 もも胡(9/4,9/6)
ヤッキーノ:松原 友(9/3,9/5) 菅野 敦(9/4,9/6)
囚人1:森田有生(全日)
囚人2:岸本 大(全日)

合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部

問:二期会チケットセンター03-3796-1831
http://www.nikikai.net/lineup/fidelio2020/index.html