《メリー・ウィドウ》聴きどころをハイライトでご紹介!

酔っぱらった男たちを追い払って、女たちも男への思いをめぐらせ・・ Photo:Dimo Dimov / Volksoper

酔っぱらった男たちを追い払って、女たちも男への思いをめぐらせ・・
Photo:Dimo Dimov / Volksoper

 《メリー・ウィドウ》の聴きどころは? と尋ねたら、きっとそれぞれ思い思いの曲名があがるにちがいありません。何が一番!と言うのはとても困難であることが、《メリー・ウィドウ》の超人気を支えているのです。
 ここでは、数々の聴きどころをハイライトでご紹介していきます。ハンナ登場の歌「殿方のご親切は財産目当て?」に続いてダニロ登場の歌「祖国が何だ!」。ダニロの酔っぱらいぶりが舞台では楽しい場面です。続いては、かつて恋人だった二人が華麗な踊りを見せる「メリー・ウィドウ・ワルツ」。そしてハンナが故郷を思い歌う「ヴィリアの歌」。コンサートで歌われることも多い憂愁に満ちた美しいこの曲の後に続く楽し気な音楽は、架空の国“ポンテヴェドロ公国”の民族性を表すもの。舞台ではカラフルな装飾のなかでのパーティで人々が盛り上がります。再びしっとりとしたメロディーはヴァランシェンヌと浮気相手のロションの“アブナイ”恋の歌。さて、お待ちかねのフレンチ・カンカン! グリセットたちの魅惑とはじける楽しさには、思わず口笛を吹いてしまうかも? ようやく心を通じ合わせたハンナとダニロが歌うメリー・ウィドウ・ワルツ「唇は黙し・・」という日本語訳もおなじみですね。ここで最後に紹介となるのは「女、女、女のマーチ」。作品のなかでは第2幕で男たちが妻の貞節について思いをめぐらせますが、酔っぱらった男たちを追い払った女たちも同様に歌い踊り、“男vs女”の面白さが炸裂します。アンコールではいつの間にかオケピットで指揮台に立っているマイヤー総裁扮するニエーグシュの指揮のもと、この痛快な歌に全員が声を揃えて幕となります。

■ウィーン・フォルクスオーパー2016年日本公演《メリー・ウィドウ》ハイライト