【予告動画公開】The Ninth Wave – Ode to Nature 〜目で聴き、耳で視る『ベートーヴェン』

 今年、生誕250年のベートーヴェン。東京春祭でも今年はベートーヴェンにちなんだ演目が並ぶが、なかでも注目されるのが「The Ninth Wave – Ode to Nature〜目で聴き、耳で視る『ベートーヴェン』」だ。

 これまで、数多くのアーティストや音楽作品とのサウンド・アート・インスタレーションを展開してきた髙橋真理子がベートーヴェン・イヤーのために企画、髙橋と協働するステファン・ウィンターを脚本・監督に、ウィンターと長年仕事をともにしてきた作曲家・安田芙充央がベートーヴェンの作品をもとに本公演のために作曲した。3月14日の本公演が世界初演となる。

 2013年ランペドゥーザ島難民船沈没事故を契機に企画された本公演は、「創造」「有限」「美」「孤独」「逃避」「検索」「無力」「憎しみ」「荒廃/創造」という9つのパートにわかれ、ベートーヴェンの第九や《フィデリオ》、ピアノソナタ、弦楽四重奏曲、ミサ・ソレムニスなどをモティーフとした安田の曲とウィンターのノイズ・アートにあわせてダンサーの辻田暁が踊り、辻田の身体に映像が映し出される。いわば、「9つの寓喩を体現する生きる彫像」が、音楽とノイズが持つ語りの力との相互作用により抽象的な生きる絵画となるのだ。

 本公演の予告動画が届いたのでご紹介する。
 なお、WEBぶらあぼ ANNEX 東京・春・音楽祭の特設サイトでは、近日、脚本・監督のステファン・ウィンターのインタビュー記事を掲載予定。


■「The Ninth Wave – Ode to Nature」トレイラー


【公演情報】
The Ninth Wave – Ode to Nature
目で聴き、耳で視る『ベートーヴェン』

2020.3/14(土)14:00、18:00 東京文化会館 小ホール
[各公演約80分]

●出演
脚本/監督:ステファン・ウィンター
作曲:安田芙充央
ピアノ:フェルハン&フェルザン・エンダー
ヴィオラ:クリストフ・デジャルダン
オーボエ:カタリーナ・ズスケ
クラリネット:ヨアヒム・バーデンホルスト
バス・クラリネット:ギャレス・デイヴィス
指揮:アーロン・ザピコ
ノイズ・アート:ステファン・ウィンター
ダンス:辻田 暁
企画:髙橋真理子(Neue Klangkunst gGmbH)

●曲目
The Ninth Wave
Ode to Nature
Sound Art after Ludwig van Beethoven

[PART I] 無限の青 Infinite Blue
 1. 水と空気 (静かな海と楽しい航海 op.112)
 2. 死後の世界 (ピアノ・ソナタ 第30番 op.109)
 3. 海の泡 (弦楽四重奏曲 第14番 op.131 & 大フーガ op.133)
[PART II] 深い緑 Deep Green
 1. 森 (《フィデリオ》 より 囚人たちの合唱)
 2. さまよう (交響曲 第5番 op.67 より 第2楽章)
 3. 滝の下 (ミサ・ソレムニス op.123 より ベネディクトゥス)
[PART III] 赤のゾーン Zone Red
 1. 三途の川の岸辺 (交響曲 第7番 op.92 より 第2楽章)
 2. 赤い雨 (《フィデリオ》 より 囚人たちの合唱)
 3. 大きな波 (交響曲 第9番 op.125 より 第4楽章 「歓喜の歌」)

※本インスタレーションは、ベートーヴェンの楽曲をもとに構成されています。