*新型コロナウイルスの感染拡大防止を考慮し、3月6日(金)〜3月15日(日)までの「リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」の開催は延期となりました。(2/28主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
https://www.tokyo-harusai.com/news_jp/20200228/
昨年スタートした「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」は、巨匠リッカルド・ムーティのライフワークであり、次世代を担う若い指揮受講生たちに、イタリア・オペラ、特にジュゼッペ・ヴェルディの魂を伝える教育プログラム。今年もムーティによる「作品解説」でスタートする。
ムーティ自らピアノを弾きながら、作品への関心を、「あらすじ」ではなく「音楽」で喚起してくれる解説は、《マクベス》演奏会形式上演(3月13、15日)の事前レクチャーであると同時に、翌日から1週間にわたるマスタークラスの、いわば基調講演でもある。昨年の《リゴレット》でも、受講生たちに繰り返し説いた教えの多くがここで語られ、そしてユーモアたっぷりのレクチャーに一般の聴衆も大いに湧いた。
ヴェルディ10番目のオペラ《マクベス》が、1847年にフィレンツェで初演されたあと、18年も経った1865年にパリでの上演のために改訂されたのはよく知られた話。現代の《マクベス》上演のスタンダードは、おおむねそのパリ版がもとになっているが、名盤として知られるムーティ唯一のスタジオ録音(1976年EMI)の初出LPには、改訂によりカットされた初演版のアリアや合唱がボーナス・トラックとして収められていた。しかしその後CD化された同音源に未収録なのは、版についてのムーティの所見の変化なのか。2005年には自筆譜に基づくクリティカル・エディションが出版されるなど研究も進んでいる。そんな話題も聞けるだろうか。
ムーティは《マクベス》を、「未来を見通した作品」と評する。管弦楽への「無言の音色」という指示や、歌手への「押し殺した声」の要求など、時代を数十年も先取りした表現主義的な書法が駆使されているのだと。そんな、ヴェルディの初期オペラのなかでも特異な存在である《マクベス》の、私たちがまだまだ知らない魅力を、現代最高のヴェルディの伝道者が解き明かしてくれる。
文:宮本 明
【公演情報】
イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.2
リッカルド・ムーティによる《マクベス》作品解説
2020.3/6(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
●出演
お話:リッカルド・ムーティ(指揮者) /他
●曲目
ヴェルディ:歌劇《マクベス》
※同時通訳付
●チケット料金(税込)
全席指定¥3,500 U-25¥2,000
※同時通訳用レシーバー代を含む
※U-25チケットは、2020年2月13日(木)12:00発売開始
(公式サイトのみでの取扱い)