三個人（3peoplemusic）という、実にシンプルなネーミングのトリオ・アンサンブルだが、彼らは伝統的な楽器を演奏しながらも“新しいアジアの薫り”とでもいうべき音楽を演奏しており、「Neo Taiwanese Music」と称したくなるオリジナリティにあふれている。 　

　台湾で生まれ、国立台湾芸術大学や国立台南芸術大学の中国音楽学科などで研鑽を積んだ3人は、それぞれが作曲したオリジナル作品をはじめ、さまざまな曲をレパートリーに加えて多くのコンサートへ出演。そのルックスやステージでのファッションも相まって幅広いリスナーの注目を集めた。古箏（こそう）から多彩な音を引き出して会場の雰囲気を演出する郭岷勤（クオ・ミンチン）。月琴のようなフォルムの中阮（ちゅうげん）という弦楽器を、ときにはギターのように演奏して“バンド感”をかもし出す潘宜彤（パン・イトゥン）。そしてそして「笛子（てきし）」「簫（しょう）」という横笛を吹きこなす任重（ジン・チャン）。3人は演奏だけではなく作曲も行うが、今回のコンサートでもプログラムの多くをメンバーそれぞれの曲とグループの共同作品が占めている。

　会場は国立科学博物館の中にある、ヴィンテージな雰囲気たっぷりの日本館講堂。ここで聴く三個人の音楽は、どこかノスタルジックに響くのかもしれない。
文：オヤマダアツシ

【公演情報】
ミュージアム・コンサート
三個人〜3peoplemusic

2019.4/11(木）19:00 国立科学博物館 日本館講堂

●出演
三個人
　古箏：郭 岷勤（クオ・ミンチン）
　中阮：潘 宜彤（パン・イトゥン）
　笛子、簫：任 重（ジン・チャン）

●曲目
任 重：荒神
潘 宜彤：紅絨毯
郭 岷勤：開花
浙江省の古典劇音楽（趙 松庭編）：三 五 七
作曲者不詳（三個人編）：3つのロマンス
邱 浩源：ヘイヨー!ヘイヨー!
潘 宜彤：五音音階の感覚
郭 岷勤：脈
潘 宜彤：浸墨
任 重：瀲灩（えんれん）
潘 宜彤：風雨
台湾民謡(三個人編)：曇空

●チケット料金（税込）
全席自由¥3,600