ミュージアム・コンサート 大矢素子(オンド・マルトノ)

 先頃、『フェルメール展』で注目を集めた上野の森美術館だが、3月には『VOCA展2019 現代美術の展望─新しい平面の作家たち』が開催され、若手作家たちの新作が展示される。このVOCA展の開催期間中に同美術館展示室で開かれるミュージアム・コンサートが、「大矢素子(オンド・マルトノ)〜現代美術と音楽が出会うとき」。オンド・マルトノの演奏と研究の両面で活躍する大矢素子が、有馬純寿の電子音響とともに、多彩な作品を取りあげる。

 オンド・マルトノとは、20世紀前半にフランスで発表された電子楽器。オンドとは「波」の意で、マルトノは発明者の名前である。もっともよく知られる使用例は、メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」だろう。オーケストラのなかで「ヒュイーーン!」と電子音を発して異彩を放つあの楽器だ。形状としては鍵盤楽器だが、連続的な音高を自在に発音することができるのが大きな特徴である。

 今回演奏されるのは、池辺晋一郎、ブシェ、鈴木純明、有馬純寿、坂本龍一(コンサート版/世界初演)、パルメジアーニの作品で、オンド・マルトノと電子音響による即興演奏もさしはさまれる。
 新しい作品に出会う喜びを、音楽と美術の両方で味わうことができそうだ。
文:飯尾洋一

【公演情報】
ミュージアム・コンサート
大矢素子(オンド・マルトノ)
〜現代美術と音楽が出会うとき

2019.3/22(金)19:00 上野の森美術館 展示室

●出演
オンド・マルトノ:大矢素子
電子音響:有馬純寿

●曲目
池辺晋一郎:熱伝導率
ブシェ:灯火観水
鈴木純明:秘境の歌
有馬純寿:うつしのエチュードI
オンド・マルトノと電子音響による即興
坂本龍一:Rebirth2(コンサート版/世界初演)
パルメジアーニ:Outremer

●チケット料金(税込)
全席自由¥3,600