「都響メンバーによる室内楽」が今年も開催される。今回は東京都交響楽団のソロ・コンサートマスターである矢部達哉を中心に、ヴァイオリンの双紙正哉、ヴィオラの村田恵子、チェロの清水詩織と森山涼介、フルートの小池郁江、クラリネットの三界秀実が参加する。日頃から同じオーケストラで演奏する名手たちの息のあった演奏を楽しみたい。
曲はモーツァルトのフルート四重奏曲第1番、ブラームスのクラリネット五重奏曲、シューベルトの弦楽五重奏曲。軽快なモーツァルトに続いて、ともに晩年期に書かれたブラームスとシューベルトの両傑作が並ぶ。大いに聴きごたえのあるプログラムだ。
とりわけシューベルトの弦楽五重奏曲は、弦楽四重奏にチェロを加えるという編成上の重厚さもさることながら、全曲で1時間に迫ろうかという規模の大きさが際立つ。室内楽でありながら、楽想の大きさはほとんど交響曲的といってもいいほど。まるで作曲者と旅をともにするような特別な体験をもたらしてくれることだろう。
文:飯尾洋一
【公演情報】
都響メンバーによる室内楽
〜ソロ・コンサートマスター、矢部達哉とともに
2019.3/16(土)19:00 東京文化会館 小ホール
●出演
ヴァイオリン:矢部達哉、双紙正哉
ヴィオラ:村田恵子
チェロ:清水詩織、森山涼介
フルート:小池郁江
クラリネット:三界秀実
●曲目
モーツァルト:フルート四重奏曲 第1番 ニ長調 K.285
I. Allegro
II. Adagio
III. Rondeau
ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 op.115
I. Allegro
II. Adagio
III. Andantino
IV. Con moto
シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D956
I. Allegro ma non troppo
II. Adagio
III. Scherzo. Presto – Trio. Andante sostenuto
IV. Allegretto
●チケット料金(税込)
S¥5,200 A¥4,100 U-25¥1,500