東博でバッハ vol.42 豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)& 中野振一郎(チェンバロ)

 東京・春・音楽祭名物シリーズのひとつ、「東博でバッハ」。今年最初の公演には、ソリスト、コンサートマスターとして活躍するヴァイオリニストの豊嶋泰嗣が登場。日本を代表するチェンバロ奏者の中野振一郎とのコンビで、ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ全曲を演奏する。それまで通奏低音の役割を果たすことの多かったチェンバロに、ヴァイオリンと同じくらい重要な役割が与えられたこの曲で、二人の名手はどんな会話を繰り広げるのだろうか。


 今年はちょうど、豊嶋が使用するストラディヴァリウスが、作られて300年を迎える年なのだという。その製造年の1719年といえば、バッハがケーテンで宮廷楽長をつとめていた頃。このヴァイオリンとチェンバロのためのソナタが書かれたと考えられる年代でもある。

 西洋クラシック音楽史の礎を築いたJ.S.バッハを、さらに古い時代の考古遺物が所蔵された場所で聴いているという意識とあわせて、歴史や偶然の一致に思いを馳せて聴くと、味わいもより一層深いものとなりそうだ。
文:高坂はる香


【公演詳細】
ミュージアム・コンサート
東博でバッハ vol.42 豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)& 中野振一郎(チェンバロ)
〜ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 全曲演奏会

2019.3/20(水)19:00 東京国立博物館 平成館ラウンジ

●出演
ヴァイオリン:豊嶋泰嗣
チェンバロ:中野振一郎

●曲目
J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ
 第1番 ロ短調 BWV1014
 第2番 イ長調 BWV1015
 第3番 ホ長調 BWV1016
 第4番 ハ短調 BWV1017
 第5番 ヘ短調 BWV1018
 第6番 ト長調 BWV1019

●チケット料金(税込)
全席自由¥3,600
※一般発売:2019年1月27日(日)10:00〜