ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽

 今、世界最高のオーケストラは?と尋ねられれば、ベルリン・フィルと答えるほかない。驚異的なアンサンブル能力と自律的に音楽を作り出す表現力の高さは、オーケストラ芸術の最高峰を究めつつあると言っていいほど。そんなベルリン・フィルの顔ともいえるキープレーヤーたちが、室内楽に取り組む。今やベルリン・フィルの顔となった第1コンサートマスターのノア・ベンディックス=バルグリー。そして第1ソロ・ヴィオラ奏者のアミハイ・グロス、ソロ・チェロ奏者のオラフ・マニンガー。そして彼らからの信頼も厚いイスラエル生まれのピアニストであり作曲家でもあるオハッド・ベン=アリが加わって、ピアノ四重奏を組む。

 マーラー、シューマン、ブラームスというロマン派プログラムも魅力的だ。ブラームスのピアノ四重奏曲第1番にはシェーンベルク編曲によるオーケストラ版があり、近年のベルリン・フィルも演奏しているが、こちらはオリジナル。さて、4人の名手たちが作り出すのは、最小編成のベルリン・フィル・サウンドなのか、あるいは仲間たちの親密な音の語らいなのか。緻密さと熱さが一体となった名演を期待できそうだ。
文:飯尾洋一


【公演情報】
ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽
〜ピアノ四重奏の夕べーーマーラー、シューマン、ブラームス

2019.3/27(水)19:00 東京文化会館 小ホール

●出演
ヴァイオリン:ノア・ベンディックス=バルグリー
ヴィオラ:アミハイ・グロス
チェロ:オラフ・マニンガー
ピアノ:オハッド・ベン=アリ

●曲目
マーラー:ピアノ四重奏曲(断片) イ短調
シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 op.47
ブラームス:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 op.25

●チケット料金(税込)
S ¥6,700 A ¥5,200
U-25 ¥1,500
※ U-25チケットは、2019年2月8日(金)12:00発売開始(公式サイトのみでの取扱い)