ワーグナー・シリーズvol.10 《さまよえるオランダ人》

 春はワーグナーの季節。そんなふうに感じてしまうほど、東京・春・音楽祭にとってワーグナーのオペラは欠かせない存在となっている。例年、トップレベルのキャストが招かれ、「これぞワーグナー」と唸らされる高水準の演奏を聴かせてくれている。まさに音楽祭のハイライトだ。


 第10回となる今回は《さまよえるオランダ人》が演奏会形式で上演される。オランダ人役として久々に来日するブリン・ターフェルを始め、ゼンタ役のリカルダ・メルベートら、今年もたいへん充実した歌手陣がそろった。NHK交響楽団を指揮するのは注目株のダーヴィト・アフカム。欧州でめきめきと頭角を現す新鋭である。ベテラン勢とはひと味違ったワーグナーを聴かせてくれるのではないだろうか。合唱が活躍する本作品では、東京オペラシンガーズの歌唱も大きな聴きものとなる。

 演奏会形式なので、主役はワーグナーの音楽そのもの。歌手が音楽に集中できるという利点は決して小さくない。一方で音楽の妨げにならない簡潔な映像演出が伴うのもこのシリーズの特徴だ。音楽と視覚的要素のバランスという点でも注目したい。
文:飯尾洋一

2018年の東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.9《ローエングリン》より
C)東京・春・音楽祭実行委員会/飯田耕治


【公演情報】
東京春祭ワーグナー・シリーズvol.10
《さまよえるオランダ人》(演奏会形式/字幕・映像付)

2019.4/5(金)19:00、4/7(日)15:00 東京文化会館 大ホール

●出演
指揮:ダーヴィト・アフカム
オランダ人(バス・バリトン):ブリン・ターフェル
ダーラント(バス):アイン・アンガー
ゼンタ(ソプラノ):リカルダ・メルベート
エリック(テノール):ペーター・ザイフェルト
マリー(メゾ・ソプラノ):アウラ・ ツワロフスカ
舵手(テノール):コスミン・イフリム
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:トーマス・ラング
合唱指揮:宮松重紀
音楽コーチ:パオロ・ブレッサン
映像:中野一幸

●曲目
ワーグナー:歌劇《さまよえるオランダ人》(全3幕/ドイツ語上演)
[上演時間:約3時間(休憩1回含む)]

●チケット料金(税込)
S¥22,100 A¥18,000 B¥13,900 C¥10,800 D¥7,700 E¥4,600
U-25¥2,500 ※ U-25チケットは、2019年2月8日(金)12:00発売開始