ミュージアム・コンサート〜城戸かれん ヴァイオリン・リサイタル

 これから大きく羽ばたいていく若き才能に出会えることは音楽祭の喜びのひとつ。今回の東京春祭におけるその代表例が、現在東京芸術大学4年在学中というヴァイオリニスト、城戸かれんのリサイタルだ。
 城戸は東京芸術大学附属高等学校在学中の2010年に、第14回松方ホール音楽賞、第79回日本音楽コンクール第2位を受賞と、10代からその才能を発揮してきた俊才である。ほかにも、カール・ニールセン国際ヴァイオリン・コンクール第4位、全日本学生音楽コンクール、ミラノのミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリン・コンクールにて第1位、ジョルジュ・エネスコ国際コンクール(ブカレスト)にて特別賞を受賞など、その才能は世界で評価されている。
 ピアノの鳥羽亜矢子は、チェロの巨匠ヤーノシュ・シュタルケルのアシスタントピアニストを務めたこともあり、現在は同大学で指導にもあたる。心強い共演者を得てのリサイタルとなった。
 演目も、古典派から現代まで幅広い時代と、古典的ソナタから技巧的な作品まで、ヴァイオリン音楽の名品をバランスよく選択。城戸は3月20日の「東京春祭チェンバー・オーケストラ」公演でもヴィヴァルディ作品でソリストを務める。みずみずしい輝きを目の当たりにしたい。

城戸かれん C)K.Miura

鳥羽亜矢子 C)Eiji SHINOHARA

ミュージアム・コンサート
城戸かれん ヴァイオリン・リサイタル

2017.4.5[水]19:00 国立科学博物館 日本館講堂

■出演
ヴァイオリン:城戸かれん
ピアノ:鳥羽亜矢子

■曲目
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 op.100
パガニーニ:ロッシーニの歌劇 《タンクレディ》 より「こんなに胸騒ぎが」による序奏と変奏曲 イ長調 op.13
武満 徹:妖精の距離
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 op.45

■料金:¥3,600(全席自由)