ヴァイオリニストにとって、バッハの無伴奏作品集と並ぶ別格の高峰が、ベートーヴェンの全10曲のヴァイオリン・ソナタである。第5番「春」や第9番「クロイツェル」といった有名作を筆頭に、他の8曲も創意工夫にあふれた意欲作ばかりであり、初期から後期までにわたる10曲で楽聖の生涯をたどることもできるのである。
その10曲に3年をかけてじっくり取り組む本シリーズ。ヴァイオリンは期待の若手、郷古廉だ。すでに各地のオーケストラとの共演などで、その卓越した技術と輝かしい音色、そして深い芸術性は評判となっており、2013年のティボール・ヴァルガ シオン国際ヴァイオリン・コンクール優勝も、彼にとっては通過点にすぎないと思わせるような風格さえ漂う。ヴァイオリンと同等以上の難度と役割が要求されるピアノは加藤洋之。ヨーロッパ各地で活躍を続け、ウィーン・フィルのメンバーからの信頼も厚い、室内楽の名手である。加藤という理想的なパートナーを得て、“期待の若手”から“未来の巨匠”への道を歩み続ける郷古の“いま”を切り取るベートーヴェン、聴き逃すわけにはいかない。
■郷古 廉(ヴァイオリン)&加藤洋之(ピアノ)
〜ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会 I
2017.4.13[木]19:00 東京文化会館 小ホール
■出演
ヴァイオリン:郷古 廉
ピアノ:加藤洋之
■曲目
ベートーヴェン:
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ長調 op.12-1
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 op.12-2
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 op.12-3
ヴァイオリン・ソナタ 第5番 へ長調 op.24 《春》
■料金
S席 ¥4,100 A席 ¥3,100 U-25※ ¥1,500
※U-25チケットは、公式サイトのみでの取扱い