東博でバッハ vol.36 村治奏一(ギター)

 そのキャリアは幼少のころから始まり、1997年クラシカル・ギター・コンクール、98年スペイン・ギター音楽コンクール、第41回東京国際ギター・コンクールに続けて優勝など、華々しいコンクール歴もすでに約20年前のこと。それから現在まで世界的に活躍を続け、長く第一線を走り続けながらも、常にみずみずしさを失わない演奏とその佇まいで、ゆるぎないキャリアとフレッシュさを併せ持つ名ギタリストーーそれが村治奏一である。
 J.S.バッハを中心とする本公演では、バッハを3曲選び、それぞれの前に西村朗、クープラン、藤倉大の作品を配置した。3世紀の時間を行き来することでギターの表現の可能性をさらに広げていく。バッハ作品ではリュート用の2曲の精妙な表現も楽しみだが、やはりあの「シャコンヌ」を含む大作、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番が大きな聴きものになる。村治奏一の現在地を余すところなく伝える時間になるだろう。

C)Satoshi_Oono

ミュージアム・コンサート
東博でバッハ vol.36 村治奏一(ギター)

2017.4.12[水]19:00 
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

■出演
ギター:村治奏一

■曲目
西村 朗:玉響
J.S.バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998
クープラン(ラッセル編):
 神秘的なバリケード
 手品
J.S.バッハ:フーガ ト短調 BWV1000
藤倉 大:チャンス・モンスーン
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004

■料金:¥3,600(全席自由)