川口成彦(フォルテピアノ)〜協奏曲の夕べ

 モーツァルトやベートーヴェンが生きていた時代に使われていた「フォルテピアノ」は、現代のグランドピアノとは大きさも音量も、そして音色もずいぶん違う。これは東京文化会館の小ホールという小さな空間で、18世紀末のフォルテピアノの音の魅力を味わえるコンサート。演奏するのは気鋭のフォルテピアノ奏者・川口成彦だ。1989年生まれで、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位など、国際的なコンクールでも入賞を重ねている。

 やはり作曲家の生きた時代の奏法を取り入れたオーケストラ「La Musica Collana」のメンバーと共演し、モーツァルトのピアノ協奏曲第12番、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番(V.ラハナー編)など、独奏でC.P.E.バッハの「幻想曲 ヘ長調」を演奏する。フォルテピアノを通して、モーツァルトが、そしてベートーヴェンがどんな音の世界を夢見たのか? タイムスリップして作曲家と同じ時代に迷い込むような感覚で楽しめるコンサートになりそうだ。
文:片桐卓也

左より:川口成彦、丸山 韶、廣海史帆、佐々木梨花、島根朋史、諸岡典経

*本公演は、2021年4月12日に延期となりました。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
https://www.tokyo-harusai.com/program_info/2021_naruhiko_kawaguchi/


【公演情報】
川口成彦(フォルテピアノ)〜協奏曲の夕べ
ピリオド楽器で聴くモーツァルト&ベートーヴェン

2020.4/1(水)19:00 東京文化会館 小ホール

●出演
フォルテピアノ:川口成彦
古楽オーケストラ 《ラ・ムジカ・コッラーナ》
 ヴァイオリン:丸山 韶、廣海史帆
 ヴィオラ:佐々木梨花
 チェロ:島根朋史
 ヴィオローネ:諸岡典経

●曲目
モーツァルト:
 J.C.バッハのソナタによる協奏曲 第2番 ト⻑調 K.107-2
 ピアノ協奏曲 第12番 イ⻑調 K.414(室内楽版)
C.P.E.バッハ:幻想曲 へ⻑調 Wq.59-5(フォルテピアノ独奏)
ベートーヴェン(V.ラハナー編):ピアノ協奏曲 第2番 変ロ⻑調 op.19

使用楽器:A.ヴァルター 1795年モデル
C.クラーク製作/西方音楽館常設
故・小島芳子愛用のフォルテピアノ